2016.08.24 上場コンサル各社2016年6月期決算を読む (2)中小企業向けコンサルティング
7月下旬~8月中旬にかけて上場しているコンサルティング会社各社から発表された6月期末の決算内容を読む。
第1回目の大手企業向けに続き、第2回目は中小企業をクライアントとしてコンサルティングサービスを提供する3社の決算を見る。
船井総研ホールディングス
コンサルティングセグメントの当期累計売上高+10.2%、営業利益+3.4%と良好な決算(共に前年比)
船井総研ホールディングスは8月5日に平成28年12月期第2四半期の決算短信を発表。これによるとグループ全体での当第2四半期累計連結売上高は7,664百万円(前年比+11.2%)、営業利益は1,907百万円(前年比+0.9%)となった。
コンサルティング事業単体ではセグメント累計売上高は6,558百万円(前年比+10.2%)、営業利益は1,849百万円(前年比+3.4%)と好成績となっている。業種区分別で、主力部門である住宅・不動産業界、医療・介護・福祉業界および士業業界向けコンサルティングが順調に売上を伸ばしている。重点施策と位置づけている、業種別経営研究会の主宰による会費収入も累計売上高756百万円(前年比+14.2%)と順調に増加しており、入会をきっかけとした月次支援案件の契約に繋がる好循環の流れが実現している。
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タナベ経営
売上高+4.6%、営業利益-0.8%(共に前年比)
タナベ経営は8月5日に平成29年3月期 第1四半期決算短信を発表。売上高は1,864百万円(前年比+4.6%)、営業利益は214百万円(前年比-0.8%)という決算となった。
タナベ経営の事業は、経営コンサルティング事業、セールスプロモーション(SP)コンサルティング事業から構成されている。
経営コンサルティング事業単体のセグメント売上高は1,212百万円(前年比+6.3%)、セグメント利益は297百万円(前年比-3.7%)。チームコンサルティング型経営協力、人材育成・教育、セミナー、各種会、アライアンス(提携)&会員のすべての領域で、契約数ベースでは前年実績を上回ったものの、各種会員組織の会費収入や講演売上は伸び悩んだとのこと。
SPコンサルティング事業のセグメント売上高は652百万円(前年比+1.4%)、セグメント利益は-52百万円(前年実績は-72百万円)となった。特に若い女性や幼稚園・育児に関連する事業を手掛ける企業をターゲットにしたSPコンサルティング、SPデザインツールは引き続き売上高を伸ばしているものの、SPツールに関しては前年実績を下回った。
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山田ビジネスコンサルティング
経営コンサルティングセグメントの売上高+49.2%、営業利益+459.2%と好調(共に前年比)
山田コンサルティンググループは8月4日に平成29年3月期 第1四半期決算短信を発表。グループ全体の売上高は2,634百万円(前年比+42.8%)、営業利益は586百万円(前年比+224.4%)と増収増益だった。
主力の経営コンサルティング事業のセグメント売上高は1,894百万円(前年比+49.2%)、営業利益は438百万円(前年比+459.2%)と好調。大型コンサルティング案件の売上実現できたことで、前年比で増収増益となった。M&Aコンサルティング、事業承継コンサルティング及び事業成長コンサルティングにおける案件の引き合い・受注が増加しており、今後も増加傾向にあると見込ん対応体制を強化していくとのこと。
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各社売上高は前年比で増加しており、中小企業向けコンサルティング市場は伸びている言えそうだ。