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2014.10.28 PwC、電力小売市場意識調査2014の結果を発表。7.5兆円市場を巡る動き。

10月27日、プライスウォーターハウスクーパース株式会社(代表取締役社長:椎名 茂)は、日本全国の一般家庭における消費者を対象に実施した、「電力小売市場意識調査2014」の結果を発表した。

一般家庭における電力会社の乗り換えに関する意識調査
本調査は、PwC社内の専門組織「電力システム改革支援室」が、電力の小売全面自由化を前に、一般家庭における電力会社の乗り換えに関する意識を把握することを目的に実施したもの。昨年に続き2年連続で実施し、電力需要家の住環境、年齢、家族構成、世帯年収などの属性を背景として、「電気料金割引率」と「電力会社乗換率」に関する相関関係や、原子力発電を利用しない供給サービスへの関心、クリーンエネルギーのみによる供給サービスへの関心などを調査している。

5%割引で10%、15%の割引だと約50%が購入先変更を検討
本調査の結果、月平均の電気料金が現在より安い電力会社を見つけた場合に、電力の購入先の変更を検討する消費者の割合は、現行電気料金より5%の割引率で10.0%となり、さらに、15%の割引率では49.8%と約半数の消費者が変更を検討するという結果となったという(下図)。そのほか、電力購入先である電力会社変更の検討に関する消費者の意識調査などの結果を掲載。

電気料金割引率」と「電力会社乗換率」の相関
※プライスウォーターハウスクーパース株式会社「電力小売市場意識調査2014」より引用
Q:今よりも安い電力会社に変更を考え始めるのは、どのくらいの割引料金からですか。サービスの質は同じ、会社変更に伴う出費はないものとしてお答えください。

電力小売り市場意識調査

7.5兆円の市場が開放。コンサル会社による支援も活発化
こういった調査は、政府が2016年から電力の小売全面自由化を決定したことに伴い、大手電力会社以外の事業者から電気を購入できるようになり、競争によって多様なサービスや価格が実施されることが予想されている背景があるためだ。現在、新電力への事業参入を届け出ている企業は10月時点で370社を超え、消費者は時間の経過とともにさまざまな情報の中から選択を迫られることになりる。

コンサルティング各社、システム各社にも商機
これに従いコンサルティング各社でも対応部門を設置し、参入を予定する各社に対し支援することが活発になってきた。10月26日の日経新聞の記事「自由化で電力システムに商機 日立やNTTデータ、特需に照準」では、日立製作所やNTTデータなど情報システム大手が電力小売りの全面自由化の基盤となるシステム開発に乗り出したことを報じ、「自由化に伴って生まれるシステムやサービスなど含めた市場規模は7兆円を超えるともいわれる。この「特需」を狙い、他のシステム会社も周辺サービスなどの売り込みを狙う」などとしている。関連するシステム構築に参画できる可能性があるとのこと。

350社が数千万円~数億円規模以上のシステム投資をする新たな商機
同記事では日立、日本IBM、独SAPが新組織等を設立しビジネスを始めたことを指摘している。この動きと共に、同紙では「電力事業に参入しようとする新電力への届け出企業数は350社を超えており、数千万円から数億円規模以上のシステム投資をする見通しで新たな商機になるのは確実」ともしている。

PwCでは電力システム改革支援室を設置
PwCでは電力システム改革支援室(パートナー狭間陽一氏)を2013年11月1日に設置。あらた監査法人、税理士法人プライスウォーターハウスクーパースのメンバーを含む約40名の体制で電力小売の自由化・発送電分離など電力システム改革の動きに対応する電力会社、および電力市場へ新規参入を計画する企業に対し、戦略策定や制度変更対応などの領域において、総合的なコンサルティングサービスを提供しているという。

本調査に関する詳しいプレスリリースは以下のページをご覧ください。
http://www.pwc.com/jp/ja/advisory/press-room/news-release/2014/electricity-market-survey141027.jhtml

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