WEBコンサルタントとは?業務内容や年収、必要なスキル・資格、なるための方法を解説

更新日:11月13日


企業のWEBサイトでの利益向上、集客などを目的にコンサルティングを行う職種がWEBコンサルタントです。近年インターネット上でのビジネス展開が一般的になったことを受けて、WEBコンサルタントの需要も増加しています。
今回の記事ではWEBコンサルタントを目指す方のために、業務内容や年収、WEBコンサルタントに必要なスキルや資格、WEBコンサルタントになるための方法を解説します。


WEBコンサルタントと似ている職種についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。




目次




WEBコンサルタントとは





WEBコンサルタントとは、デジタルマーケティングやオンラインビジネスの専門知識を持ち、クライアントの経営戦略にもとづいてWEBの開発や制作、運営に関するコンサルティングを提供する職種です


クライアントのWEBサイトやデジタルマーケティング活動で発生している課題や悩みの解決、およびWEBサイトでの成果を最適化するための、具体的な改善策やアドバイスを提示します。





WEBコンサルタントと似た職種との違い





WEBコンサルタントと似た職種との違いを解説します。


1. デジタルマーケティングマネージャー


デジタルマーケティングマネージャーとは、WEBサイトやオンライン広告を通じてマーケティングキャンペーンを計画・実行・監視する職種です


WEBコンサルタントがおもに戦略の立案と提案を行うのに対し、デジタルマーケティングマネージャーは立案した戦略を実行まで担当します。


また、デジタルマーケティングマネージャーは、SEO、PPC、SNS広告、メールマーケティングといった多岐にわたるデジタルチャネルを監督します。


2. WEBアナリスト


WEBアナリストは、アクセス解析などでWEBサイトのデータを分析し、データをもとにパフォーマンス改善のための施策を提案する専門職です


WEBアナリストはデータ分析に特化した職種で、数字をもとにしたインサイト提供がおもな役割です。一方、WEBコンサルタントは解析結果のデータに基づいて、戦略全般の提案や改善施策の提供を行います。


3. SEOスペシャリスト


SEOスペシャリストは、WEBサイトの検索エンジン最適化(SEO)を専門的に行う職種です。SEOスペシャリストは検索順位向上のためのSEO対策に特化していますが、WEBコンサルタントはSEOを含んだデジタルマーケティング全般、UX/UI改善、広告運用など広範囲にわたるサポートを行います。


4. UX/UIデザイナー


UX/UIデザイナーは、ユーザーエクスペリエンスとユーザーインターフェースを最適化するためのデザインを行う職種です


UX/UIデザイナーがデザインに特化してユーザー体験を向上させる一方で、WEBコンサルタントはデザインも含むWEBサイト全体の戦略を構築します。デザイナーはデザインに関する技術やスキルを活用しますが、コンサルタントはその成果をどうビジネスゴールに結びつけるかを考えます。


5. コンテンツマーケティングマネージャー


コンテンツマーケティングマネージャーは、ブランドや製品に関する効果的なコンテンツを作成し、配信することでオーディエンスとのエンゲージメントを高めます


コンテンツマーケティングマネージャーはコンテンツ作成と配信に重点を置き、WEBコンサルタントはそのコンテンツマーケティングを含む総合的なデジタル戦略を策定します。


またコンテンツマーケティングマネージャーはコンテンツの質と効果に焦点を当てますが、WEBコンサルタントはそれがどのようにして全体の戦略に寄与するかを考えます。





職種別・業務別の仕事内容





WEBコンサルタントは、SEO対策、UX/UIデザイン、データ分析、クライアントコンサルティングなど多岐にわたる業務を担当します。それぞれの職種や業務によって提供される価値や成果が異なり、全体としてクライアントのビジネス目標達成を支援する役割を果たします。


WEBコンサルタントのおもな業務内容を解説します。


1.サイト分析と改善提案


WEBサイトのパフォーマンスを解析しユーザーエクスペリエンス(UX)の向上やコンバージョン率の最適化に関する以下のような具体的な提案を行います。


  • ターゲットユーザーの行動分析
  • ニーズの発見
  • ユーザーペルソナ設定
  • カスタマージャーニーマップ作成
  • ワイヤーフレーム作成
  • プロトタイプ作成
  • デザインモックアップ作成
  • ユーザーテストレポート作成

施策を行うことで、ユーザー満足度の向上や滞在時間の延長、ユーザビリティの向上、デザインの完成度の向上が期待できます。


2. SEO対策


検索エンジン最適化(SEO)の戦略を設計し、以下のようなWEBサイトの検索順位を向上させるための施策を実施します


  • WEBサイトの技術的な診断
  • キーワード分析
  • SEO診断レポート作成
  • キーワードマッピング作成
  • コンテンツの最適化(作成、リライト)
  • コンテンツ改善後のパフォーマンスレポート作成

SEO対策によってオーガニック検索順位の向上、検索トラフィックの増加、ページビュー(PV)の増加、ユーザーエンゲージメントの向上などが期待できます。


3. デジタルマーケティング戦略


市場調査や競合分析の結果から、コンテンツマーケティング、SNSマーケティング、メールマーケティングなど、多岐にわたるデジタルマーケティング戦略の立案と実行をします


その結果、ブランド認知度の向上、トラフィックの増加、コンバージョン率の向上などが期待できます。


4. 広告運用


Google広告やSNS広告など、オンライン広告キャンペーンの設計、運用、解析を行います。広告運用により広告クリック率(CTR)の向上、広告費用対効果(ROAS)の改善が期待できます。


5. データ分析


サイトのパフォーマンス向上や意思決定の支援のために、以下のようなデータ分析を行い、戦略を策定します


  • ユーザーの購買行動やアクセスデータの分析
  • Googleアナリティクスなどのツールを用いた定量的な評価
  • WEBサイトのパフォーマンス解析
  • 解析レポート、改善提案書の作成

6. クライアントとのコンサルティング


クライアントとの定期的なミーティングを通じて、ビジネスゴールの進捗や課題、成果を共有し、解決策を提供します





WEBコンサルタントの年収





WEBコンサルタントの年収は職種や業務内容、企業規模、業界により大きく異なります。新卒時400万円、年齢や経験、役職とともに変動し独立やトップ企業に就職すると、1,000万円以上になることも少なくありません。


WEBコンサルタントの年収については以下の記事でくわしく解説しています。






WEBコンサルタントとして活躍するために必要な資格・スキルや経験





WEBコンサルタントとして必要な資格やスキルを職種ごとに解説します。


1. デジタルマーケティングマネージャー


デジタルマーケティングマネージャーに必要な資格・スキルは以下の通りです。


  • Google認定資格(Google AdWords、Google Analyticsなど)
  • SEO/SEM知識
  • データ解析スキル(Excel、Tableau、Rなど)

Google認定資格があるとオンライン広告の運用、パフォーマンス分析、キャンペーンの最適化ができます


SEO/SEM知識は検索エンジンマーケティング(SEM)、検索エンジン最適化(SEO)戦略の立案と実行に、データ解析スキル(Excel、Tableau、Rなど)はマーケティングデータの分析、解析レポートの作成、戦略のフィードバックに必要です。


マーケティングキャンペーンの企画・運営経験が2年以上、 デジタル広告運用の実績の経験が求められます。


2. SEOスペシャリスト


SEOスペシャリストに必要な資格・スキルは以下の通りです。


  • SEO関連資格(SEO検定など)
  • キーワードリサーチツール(Google Keyword Planner、SEMrush、Ahrefsなど)の使用
  • HTML/CSSの知識

SEO関連資格はサイト診断、SEO戦略の策定と実行、コンテンツの最適化などに役立ち、キーワードリサーチツール(Google Keyword Planner、SEMrush、Ahrefsなど)の使用スキルはキーワード調査、競合分析、SEOレポートの作成に役立ちます。


またHTML/CSSの知識はWEBサイトの技術的な最適化、内部リンクの最適化に役立ちます。


SEOの実務経験が2年以上、 成果を上げた具体的なプロジェクト実績が求められます。


3. UX/UIデザイナー


UX/UIデザイナーに必要な資格・スキルは以下の通りです。


  • デザインツールのスキル(Adobe XD、Sketch、Figmaなど)
  • ユーザビリティの知識
  • HTML/CSS/JavaScriptの基礎知識

デザインツールはプロトタイプの作成、ワイヤーフレームのデザイン、ユーザーインターフェースの設計に必要です。


ユーザビリティテストの知識はユーザビリティの評価、UXの改善提案、フィードバックの取り入れに必要とされ、HTML/CSS/JavaScriptの基礎知識はデザインの実装、フロントエンドとの連携、インタラクションデザインの実現に活用されます。


UI/UXデザインの実務経験が2年以上、デザインプロジェクトでのリード経験が望ましいです。


4. WEBアナリスト


WEBアナリストに必要な資格・スキルは以下の通りです。


  • データ解析ツールのスキル(Google Analytics、Adobe Analyticsなど)
  • 統計解析の知識(R、Pythonなど)
  • SQLの知識

データ解析のツールのスキルは、WEBサイトのパフォーマンス解析、カスタムレポートの作成、トラフィック分析に必要で、統計解析の知識(R、Pythonなど)はデータ分析、統計的モデリング、データドリブンなインサイト提供に必要となります。SQLの知識はデータベースからのデータ抽出、クエリの作成、データベースの管理に求められます。


WEB解析の実務経験が2年以上、データ分析プロジェクトでのリード経験があるのが望ましいでしょう。


5. クライアントコンサルティング


クライアントコンサルティングに必要な資格・スキルは以下の通りです。


  • プロジェクト管理ツールの知識(Trello、Asana、JIRAなど)
  • コミュニケーションスキル

プロジェクト管理ツールの知識があれば、プロジェクトの進行管理、タスクの割り当て、進捗レポートの作成ができます。また文書作成やプレゼンテーションに関するコミュニケーションスキルがあれば、クライアントとの定期ミーティング、成果報告、提案書の作成が可能です。


コンサルティングの実務経験が2年以上、クライアントとの折衝経験、プロジェクトのマネジメント経験があると良いでしょう。





WEBコンサルタントの仕事で求められているもの





WEBコンサルタントの仕事で求められる成果や付加価値について解説します。


1. 成果として求められるもの


WEBコンサルタントとしてクライアントのビジネス目標の達成が求められます。具体的な内容としては以下のようなものとなります。


  • 売上の増加
  • 新規顧客の獲得
  • ブランド認知度の向上
  • デジタルプレゼンスの強化
  • トラフィックの増加
  • ユーザーエンゲージメントの向上
  • データドリブンな成果
  • KPIの達成
  • ROIの改善

2. 業務上大切な付加価値


成果以外にも、WEBコンサルタントによって以下のような付加価値が求められています。


  • 顧客との信頼関係の構築による長期的なパートナーシップ
  • 顧客満足度の向上
  • 最新技術の活用によるイノベーションと最適化
  • 定期的な分析と持続的な改善
  • ビジネス課題の解決




WEBコンサルタントになるための方法





WEBコンサルタントになるための具体的な方法を解説します。


新卒や未経験OKの企業に就職する


新卒や未経験者を募集している企業に入社し、WEBコンサルタントとしての実績を積んでいく方法です。企業例としてデジタルマーケティングエージェンシーやIT企業、スタートアップ企業などがあります。


デジタルマーケティングエージェンシーは、幅広いクライアント案件を経験できるため、多様なスキルを短期間で身につけられます。多岐にわたるプロジェクトを手掛けられることから、総合的なWEBコンサルタントを目指せるでしょう


IT企業やスタートアップは最新のテクノロジーやマーケティング手法を学べます。スピード感のある環境で多くの課題に対応することで、柔軟な思考と問題解決能力が養われるでしょう。


既存の部署で実績を作る


自分の所属する部署でWEBマーケティングに関連するプロジェクトを積極的に担当し、成果を上げることでWEBコンサルタントとしての実績を積めます


まず上司や関係部署と連携し、WEBマーケティングに携われる部署への異動に向けた信頼関係を築いたり、社内のトレーニングや研修を活用したりしましょう。


転職エージェントサービスを利用する


他業種からWEBコンサルタントを目指す方法です。転職エージェントサービスを利用すると転職までのサポートが受けられます。総合型エージェントサービスのほか、外資系、コンサルタントに特化したエージェントサービスもあります。


独立またはフリーランスになる


コンサルタントとしての案件を豊富に取り扱っているエージェントサービスを利用して、独立またはフリーランスになる方法もあります。


PODではWEBコンサルタントの案件も非公開を含め豊富に取り扱っています。独立を目指す方はもちろん、WEBコンサルタントの副業を検討している方にもおすすめです。





WEBコンサルタントに向いている人





WEBコンサルタントに向いている人について解説します。


分析力とデータドリブンな思考がある人


WEBコンサルタントとして活躍するには、データを中心に問題解決を行うことが得意で、数字や統計を根拠にした戦略を立てることができる人が向いています。


コミュニケーション能力が高い人


クライアントと円滑にコミュニケーションを取り、要望や意見を的確に反映させることが得意な人はWEBコンサルタントに向いています。


マルチタスクが得意な人


複数のプロジェクトやタスクを同時にこなす能力があり、優先順位をつけて効率的に業務を進められる人はWEBコンサルタントに向いているでしょう。


デジタルマーケティング、SEO、広告運用など、さまざまな業務をバランスよくこなす必要があるためです。


知的好奇心旺盛で、常に新しい知識を吸収する意欲がある人


WEB業界の最新トレンドや技術に興味を持ち、自己研鑽を怠らない人
特にGoogleのアルゴリズム変更や新しいマーケティングツールの登場に迅速に対応できるよう、継続的な学習が必要となります。


問題解決能力が高い人


クライアントの課題を深く理解し、最適な解決策を提案できる人はWEBコンサルタントに向いています。クライアントのビジネス目標達成に向けた具体的な戦略立案が求められます。





WEBコンサルタントのキャリアパス





WEBコンサルタントのキャリアパスを解説します。


アシスタント職


初任給:300万~400万円
役割:データ収集、基本的な分析、簡単なレポーティングなど


ジュニアコンサルタント


給料:400万~500万円
役割:クライアント対応、デジタルマーケティング施策の立案・実行、詳細なデータ分析


コンサルタント


給料:500万~700万円
役割:プロジェクト管理、マーケティング戦略の策定と実施、大規模な広告運用、チームリード。


シニアコンサルタント


給料:700万~900万円
役割:複雑なプロジェクトの管理、クライアントとの重要なディスカッション、戦略的アドバイス


マネージャー/ディレクター


給料:900万~1,200万円以上
役割:部門の統括、全体戦略の策定と実行、大規模なプロジェクトのリード、若手コンサルタントの育成


関連職種への転職


WEBコンサルタントの経験や知識を活かし、以下のような関連職種へ転職する道もあります。


  • デジタルプロダクト開発とリリースを管理する「プロダクトマネージャー」
  • マーケティング戦略の立案や提示を行う「マーケティングマネージャー」
  • データ分析に特化した支援を行う「データアナリスト」




WEBコンサルタントに関するよくある質問 





WEBコンサルタントに関するよくある質問をまとめました。


WEBコンサルタントの将来性は?


デジタルマーケティングの重要性が高まる中、WEBコンサルタントの求人数は年々増加しています。特に中小企業から大企業まで、業種を問わず幅広い企業で需要が高まっています。


SEOをはじめとした知識がなくてもWEBコンサルタントになれる?


SEOを含むWEBマーケティングの知識は実務経験を通じて十分身につけることが可能です。未経験からのチャレンジもできます。


リモートワークは可能?


就職した企業や案件の条件にもよりますが、リモートワークも可能です。リモートワークを導入している企業や、リモート可能な案件を取得することで、希望する働き方もできます。





まとめ



WEBコンサルタントの概要や仕事内容、向いている人や求められるスキル、資格、WEBコンサルタントになる方法について解説しました。


WEBコンサルタントは今後も安定した需要があり、高い年収も見込める職種です。正社員として働くのはもちろん、独立や副業としての働き方もできます。


自分が重視したいポイントに合致した企業や案件を見つけ、WEBコンサルタントとして活躍しましょう。