SAPコンサルタントについて解説!気になる年収や将来性、仕事内容とは?
更新日:11月1日
SAPコンサルタントは高収入であると言われていますが、実際の年収や将来性はどうなのでしょうか?
これからSAPコンサルタントを目指す方の中には、仕事内容や必要なスキルが気になる方も多いでしょう。
この記事では、SAPコンサルタントの年収について、以下のことについて解説をいたします。
- SAPコンサルタントの仕事内容
- SAPコンサルタントに必要なスキル
- 未経験からSAPコンサルタントになる方法
ぜひ最後までお読みください。
SAPコンサルタントとは
SAPコンサルタントとは、企業に対してコンサルティングを行い、業務課題の改善の手段として、SAPシステムの導入を全面的にサポートする仕事です。
近年、人材不足が叫ばれるほどにSAPコンサルタントの需要は高まりを見せています。
SAPとは
SAPとはドイツを拠点とする世界最大級のソフトウェアメーカー「SAP社」が提供するERPパッケージを称しています。
SAPの特徴
SAPは国内及び海外でトップシェアを誇るERPパッケージです。
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略称で、企業の経営資源を一元的に管理できるITシステムのことです。
従来のシステムでは会計・在庫・人事といった基幹業務がそれぞれ独立したシステムで縦割り管理されていました。
ですが、ERPパッケージであるSAPの登場で、全ての基幹業務を横断し一括処理することができるようになり、多くの企業が業務改善・経営改善を実現しています。
SAPコンサルタントの役割
SAPコンサルタントの役割は、企業のSAP導入及び運用を全面的にサポートすることです。
具体的には、ERPパッケージを導入していない企業に対しては、業務分析を行い課題解決の手段としてSAPシステムを提案します。
クライアントが他社製品を導入済みの場合は、SAPへデータやシステムを移行するためのサポート業務を行います。
さらに、クライアントの業務内容に合わせてSAPシステムをカスタマイズすることや、システム稼働後のフォローアップもSAPコンサルタントの重要な役割と言えるでしょう。
SAPコンサルタントとSAPエンジニアの違い
SAPコンサルタントと共に重要な役割を担うのが、SAPエンジニアです。
2つの職種にはどのような役割の違いがあるのでしょうか?
SAPコンサルタントの中には、SAPエンジニアから転身する方も多く、仕事内容が混同されることがあります。
実際は両者の仕事内容は明確に区別されており、SAPコンサルタントはクライアントの業務課題の抽出や解決方法の提案など、ビジネスコンサルタントとしての役割がメインです。
対してSAPエンジニアは、システムのプログラミングと納品をメインとしており、あくまでも技術者としての役割を果たします。
SAPコンサルタントの平均年収
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均年収は458万円と発表されていますが、SAPコンサルタントの年収はその平均を大きく上回ります。
大手求人サイト「indeed」によるとおよそ720万円が平均年収で、大手コンサルティングファーム「アクセンチュア」の平均年収は810万円にのぼります。
続いて、雇用形態ごとのSAPコンサルタントの年収を解説していきます。
正社員
「indeed」では、正社員のSAPコンサルタントの平均給与は月給596,485円と報告されています。
もちろん、スキルや経験によって受け取る報酬は異なりますが、年収換算では約720万円と、前述した通り給与所得者の平均年収458万円を大幅に上回っています。
また、「indeed」に掲載されているコンサルタント全体の平均給与は月収458,886円、年収換算で約550万円であり、コンサルタントの中でも特に収入が高いことが分かります。
以上のことから、SAPコンサルタントとして会社に勤めることは、高年収を得るために有効な手段であると言えるでしょう。
フリーランス
弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」のSAPコンサルタント案件を見ると、100%稼働の場合の相場は100~150万円となっています。契約期間は案件によって異なりますが、1ヶ月と仮定すると、1,200~1,800万円の年収が見込めます。
また、中には150万以上の案件もあり、例えば、プログラミング言語のABAPでのコーディングの経験やスキルがある方、製造業の業界知識がある方は、より高い年収を望めるでしょう。
フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODを利用してご自身に合った案件を探してみてください。
SAPコンサルタントの年収に関する詳しい情報や、さらに年収を上げる方法を知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
SAPコンサルタントの将来性
SAPコンサルタントの需要は今後も続くことが予想されます。
SAP社はERPパッケージにおいて世界トップシェアを誇り、急激なシェア変動が起こる可能性は極めて低いと見る向きが多いためです。
またSAP社は現行サービスのサポートを2027年で終了すると発表しており、多くの企業が新システムへの移行を迫られています。
いわゆる「2027年問題」という特需も重なり、SAPコンサルタントは慢性的な人材不足が叫ばれるほど需要は高まり続けているのが現状です。
このような背景から、SAPコンサルタントは現在はもちろん、将来的にも希少価値の高い人材であると言えるでしょう。
SAPコンサルタントの仕事内容
SAPコンサルタントの仕事内容は主に次の3つに分類できます。
- SAPシステムの導入
- SAPシステムのカスタマイズ
- SAPシステムのサポート・保守
それぞれの特徴について解説していきます。
1.SAPシステムの導入
まずはSAPシステムの導入ですが、クライアントへのヒアリングから業務プロセスを分析し、抽出した課題に対して最適なITシステムを構築していきます。
SAPシステムの導入はクライアントである企業の経営課題を解決し、将来的な発展にも寄与することを目的としています。そのため、全面的なサポートを行うSAPコンサルタントは重要な役割を担っているのです。
2.SAPシステムのカスタマイズ
SAPコンサルタントはSAPシステムのカスタマイズも行います。
SAPシステムのカスタマイズとは、クライアントのニーズに合わせてSAPシステムの組み合わせを調整することです。
クライアントによっては業界特有の業務フローが存在している場合もあるため、システムが最も効果的に働くようにカスタマイズすることで、クライアントの評価も高まります。
3.SAPシステムのサポート・保守
SAPシステム稼働のサポートと保守も、SAPコンサルタントの大切な仕事です。
システムが安定的に稼働しているかを見守り、何か問題が発生した際には素早く対処して、クライアントを継続的にフォローアップしていきます。
SAPコンサルタントに求められる能力
SAPコンサルタントとして活躍するためには、どのような能力が必要なのでしょうか?
以下の6つに分類されるように、高いコンサルティング能力とSAP関連の専門知識が求められます。
- 課題解決能力
- ロジカルシンキング
- コミュニケーションスキル
- 高いコミットメント
- SAP製品の知識
- SAP認定コンサルタント資格
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.課題解決能力
SAPコンサルタントにとって課題解決能力は重要です。
クライアントに適切なコンサルティングを行い、課題を発見し解決へ導きます。
現場の課題を正確に把握し、最適な解決策が提示できることは、SAPコンサルタントにとって最も必要な能力の1つであると言えるでしょう。
2.ロジカルシンキング
次は物事を体系立てて整理するための思考法、いわゆるロジカルシンキングですが、論理的に物事を考えることはコンサルティングにおいて必要不可欠です。
クライアントの課題解決をするためにはロジカルシンキングをする必要があり、課題解決能力とロジカルシンキングは相関関係にある、SAPコンサルタントの必須スキルです。
3.コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルもSAPコンサルタントとして仕事をする上で大きなウエートを占めます。
先述した課題解決能力とロジカルシンキングを正しく活用するには、クライアントと信頼関係を築く必要があります。
コミュニケーションスキルによって、正確な課題分析と最適な提案を行うことが可能になり、プロジェクトを円滑に進行していくことに繋がるでしょう。
4.高いコミットメント
SAPコンサルタントにはクライアント企業の業績向上に貢献するという高いコミットメントが求められます。
プロジェクトを成功に導くにはさまざまな困難やトラブルを乗り越えなければならず、何としてもクライアントに貢献するという決意なくしてはS、APコンサルタントを務めるのは難しいかもしれません。
5.SAP製品の知識
SAPコンサルタントの仕事は、SAPシステムの導入を全面的にサポートすることです。
クライアントに適切な提案をしたり、SAPシステムの導入やカスタマイズをするためにSAP製品の知識は必要不可欠であると言えます。
6.SAP認定コンサルタント資格
SAP認定コンサルタント資格とは、SAP社が認定・提供している資格のことです。
この資格を保有していると、SAP製品を導入するプロジェクトにおいて充分な専門知識があることを証明できるため、案件獲得の際も有利になります。
独学で取得するのは非常に困難なので、実務あるいはSAP社が提供している研修を利用して資格取得を目指すことをおすすめします。
SAP認定コンサルタント資格は主に3種類ある
SAP認定コンサルタント資格はさまざまな種類が存在しますが、ここでは主な資格とされる3つを紹介していきます。
1.SAP Certified Application Associate
「SAP Certified Application Associate」は、SAPの多岐に渡るソリューション領域に特化した内容で、SAP製品の知識と実戦におけるプロフェッショナル認定が得られます。
SAPコンサルタントとしてキャリア形成を目指す人にとって重要な資格と言えるでしょう。
2.SAP Development Specialist
「SAP Development Specialist」は、SAPのカスタム開発やアプリケーション開発専門家のことを指します。
具体的には、SAP製品やサービスのカスタマイズや拡張、もしくは新しい機能の開発を担当し、当資格保持者にはSAP領域で需要が高く、高単価の報酬が支払われる傾向があります。
3.SAP Certified Technology Associate
「SAP Certified Technology Associate」は、SAPのシステムとアーキテクチャの技術的な側面にフォーカスしています。
SAP環境の技術的なサポートを担当する方にとって、スキルと知識を認定する重要な資格と言えるでしょう。
未経験でも可能?SAPコンサルタントになるには
未経験からSAPコンサルタントに転職することはできるのでしょうか?
ここからは、SAPコンサルタントになるために、どのような手順を踏む必要があるか解説していきます。
まずは会社員としてSAPスキルを身につける
結論から言うと、SAPの知識やコンサルタントとして実務経験がない状態での転職は困難と言えます。
まずは企業に就職して、SAPエンジニアあるいは、ITコンサルタントとしてキャリアを形成し、スキルと経験が充分に積み上がってから、SAPコンサルタントへの転職を目指すと良いでしょう。
SAPエンジニアもしくはコンサルティングファームからの転職が多い
実際にSAPコンサルタントに転職した方のキャリアを見ていくと、SAPエンジニアやコンサルティングファーム出身者が多い傾向にあります。
SAPコンサルタントとしてのキャリアを視野に入れるならば、SAPエンジニアをしながらコンサルティングを勉強したり、コンサルタントをしながらSAP認定コンサルタント資格を取得したりすることが近道になるでしょう。
まとめ
SAPコンサルタントは、高いコンサルティング能力とSAP製品の深い知識を併せ持った専門家です。
SAPコンサルタントとして働くにはSAP製品の知識はもちろんですが、コンサルタントとして複合的なスキルを身につける必要があります。SAPコンサルタントになるのは簡単ではありませんが、クライアントを満足させられるよう一つ一つスキルを習得していきましょう。
本記事が、SAPコンサルタントとしてのキャリアを形成する一助となれば幸いです。