PMの副業動向は?需要増加の背景・単価相場・案件獲得方法などを徹底解説
更新日:8月20日
この記事では、PMとして副業しようとしている方のために、将来的な需要・案件単価相場・案件例などについて詳しく解説していきます。
案件獲得に必要なスキルや、獲得方法も確認して、実際にPMとして副業で活躍していきましょう。
PMの副業動向
経済産業省が公表したIT人材不足のデータなどを踏まえると、今後PM需要は高まることが予測されます。
その背景として挙げられるのが、既存の基幹システム刷新やDX推進の必要性です。経済産業省公表の「DXレポート」では、上記の課題を見過ごした場合、2025〜2030年で最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性に触れており、「2025年の崖」とも言われています。
出典:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省」
また、「2025年の崖」と同時に問題視されているのが、過度なIT人材不足です。
経済産業省が公表した「IT人材育成の状況等について」では、2030年には最大で約80万人のIT人材が不足すると予測されています。
IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移
提供元:「経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課」
実際に、2018年に日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)がIT企業を対象に実施した「第9回JCSSA景気動向調査」では、77.0%のIT企業が人材が不足していると回答しており、特に「プロジェクトマネジャー系」の人材が不足している実態が明らかになっています。
人材不足の現状と種類
提供元:「第9回JCSSA景気動向調査」
その他、Miraieの調査からも、約80%の企業が「外部人材のPM/PMOの需要が高まっている」と回答していることから、今後PMの副業人材の需要が高まっていくことが予想されます。
出典:「【外部人材×PM・PMO】外部人材のPM・PMOは需要大!企業担当者の7割以上が外部のPM・PMOを活用したいと回答!しかし8割以上が探し方に苦戦中と判明|SEES」
ここまで取り上げてきた情報などから、実力のあるPM人材であれば、今後10年ほどは様々な場面で求められる状態が続くでしょう。
PMの副業動向について見た後は、実際のPM副業案件の単価相場について解説していきます。
PMの副業案件の単価相場
PM案件の単価相場について、弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」で言えば、100%稼働の場合で100~150万円/月ほどとなっています。
例えば、副業として土日のみ40%稼働したとすると、40-60万円/月の収入が見込めるイメージです。
案件の中には、20~30%の稼働で100~150万円/月の報酬を受け取れる案件や、~100%の稼働で150万円/月を超える単価の案件もあります。そのため、豊富なPM経験や特定領域の専門性をお持ちの方は、さらなる年収アップも望めるでしょう。
弊社PODサイトには、全体の案件の15%ほどしか掲載しておらず、弊社独自ルートで開拓した、残り85%の幅広い分野の非公開求人にアクセスすることも可能です。
豊富な案件へのアクセスや、コンサルタントサポーターによる一人ひとりに合ったサポートを受けたい方は、ぜひPODに登録してみてください。
PMの副業案件例
ここでは、PODの案件情報をもとに、いくつか案件例をご紹介します。
案件 | 仕事内容 | 求められるスキル | 稼働率 | 契約期間 | 勤務地 | 報酬金額 | 想定年収 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
システム導入プロジェクトのITサイドのプロジェクト・マネージャー | ・クライアントのIT サイドのコンサルタントとして、システム要件定義をリード ・既存のリペアシステムで管理しているデータと、GRACEで管理しているデータを理解し、それぞれのデータ連携を整理 ・GRACE システムに実装されていないが日本で必要なシステムやデータベースについて要件定義し、グローバルチームと調整 | ・業務システムのデータベースに関する深い理解 └複数のシステム統合作業の経験 └業務オペレーションとシステム/データベースの相関性を理解・整理 ・バックエンドのシステムへの深い理解 └バックエンドシステムの要件定義の経験 └業務要件に必要なシステム機能を検討 └ステータスやパターンの漏れのない機能の要件定義 └上記の要件定義を、グローバル/日本サイドとディスカッションを通して定義 ・英語での議論やメールの円滑な実施 | 100% | 1~3ヵ月 | 基本リモート | 100万~150万円 | 1,200~1,800万円 |
PLM導入プロジェクトの提案活動 | 元請社マネジメントメンバーと協力した以下作業の推進 ・PLM導入プロジェクトの提案活動 ・主体的な提案活動をリード/実施 ・元請リード顧客に対する、課題/ニーズの探索、提案書作成、提案プレゼン ・PLM導入プロジェクトの現場PM ・日々のプロジェクト活動を現場リーダーとして主体的にリード/実施 ・プロジェクト計画の作成、進捗/品質管理、会議ファシリテーション、仮説出し、アウトプット作成 ・クライアント上位マネジメント層へのアプローチおよび報告 ・主体的な次フェーズ提案 | ・製造業における業務知識 ・PLMに関する知識・経験 ・コンサルタントとしてのドキュメンテーション、コミュニケーション能力 ・自身でのエンドユーザー(製造業へのお客様)への提案経験 ・PLMプロジェクトでのプロジェクトマネージャーないし現場リーダーの経験 | 50%~100% | 1~3ヵ月 | 全国各地への出張可 | 100万~150万円 | 1,200~1,800万円 |
全社DX推進PJ | ・データ利活用戦略として推進している17案件のデータ分析を、より多数並行で進められるようにするためにテンプレート化や部品化 ・IT技術のない現場部門でもデータ分析を活用させるための、IT側の仕組み作りや、現場部門向けの教育活動、推進活動(イベント開催、事例公開など) | ・豊富なDX案件の参画経験 ・データ分析作業/利活用施策立案に関する知見 ・プロジェクト管理経験 | 80%~100% | 1~3ヵ月 | 東京都(23区内) | 100万~150万円 | 1,200~1,800万円 |
外資系小売業倉庫業務のインバウンドマネージャー | おもに以下のような3PLベンダー側のインバウンド領域のマネージャー業務を現マネージャーから引き継ぐ ・顧客対応(物流データ分析、プロジェクト対応、中期計画書の作成等) ・メンバー管理(SV3名、リーダー5-6名の進捗管理など) ・業務改善提案 | ・データ分析作業経験(ExcelやBIなど) ・PowerPointでの報告書作成経験 ・マネージメント(メンバー管理等)経験 ・各種ステークホルダーへの報告書の作成経験 | 80%~100% | 3~6ヵ月 | 千葉県市川市(フルタイムオンサイト) | 100万~150万円 | 1,200~1,800万円 |
PM案件は、責任の重さや難易度の高さから、高単価な案件が多いのが特徴です。
また、全社DX推進案件やグローバル案件など、規模の大きな案件が多いのも特徴と言えます。
実際のPM副業案件を見た後は、PM副業のメリットについて解説していきます。
PM副業のメリット
実際にPMとして副業をした場合、以下のようなメリットがあります。
- 収入アップに繋がる
- リーダーシップスキルを磨ける
- 自分で案件を選べる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1.収入アップに繋がる
PM案件で副業することにより、本業に加えてさらに収入が増えます。
正社員の場合、成果を出したとしても、社内人事評価を受けた後に収入に反映させることになります。
一方で、副業では力を注いだ分だけすぐに収入アップに繋がります。
独立準備として資金が必要な方などは、PM副業による収入を視野に入れてみましょう。
メリット2.リーダーシップスキルを磨ける
プロジェクト推進に必要なリーダーシップスキルを磨けるというメリットも挙げられます。
PMとして主体的に目標設定し、チームを牽引する経験を積むことで、プロジェクトを推進するリーダーシップスキルにさらに磨きがかかります。
時には、時間に限りがあり十分な検討材料が揃っていない状況でも、PMとして決断しなければなりません。
また、チーム内で認識齟齬が発生しないように、目標ややるべきことを上手く言語化してメンバーと共有するコミュニケーションスキルも必要です。
PMとしてチームの先頭に立ってプロジェクトを推進する経験は、リーダーシップの糧になるでしょう。
メリット3.自分で案件を選べる
自分が興味のある案件を選択できるのもPM副業のメリットです。
正社員では、仕事である以上気の進まないプロジェクトでも従事することがあります。
一方で、副業では興味のある案件から選択して受注できます。
自分が興味のある新しい領域を開拓したり、得意な領域でバリューを発揮したりするのもPM副業の醍醐味です。
PMの副業には紹介してきたようなメリットがある一方で、デメリットとなり得る要素もあります。
次の見出しでは、PM副業のデメリットについて解説していきます。
PM副業のデメリット
PMとして副業をした場合、以下2つのデメリットがあります。
- 本業と副業のタスクバランスの調整が必要
- 休みを確保しにくくなる
それぞれについて詳しく解説していきます。
デメリット1.本業と副業のタスクバランスの調整が必要
副業でPM案件を請け負うと、当然ながら、本業の仕事をこなしつつ副業案件も推進しなければなりません。全く経験のない領域などの負荷のかかる副業案件を受注すると、タスクがひっ迫してしまい、本業のタスクもうまく回せなくなる危険性があります。
本業と両立させるためにも、本業/副業案件の稼働時間を見積り、無理のない範囲で案件を選択しましょう。
まずは稼働時間が少なく得意領域に関わる案件から始めていき、徐々に案件の難易度を上げていくと本業とのバランスを取りつつ副業案件を進めることができます。
デメリット2.休みを確保しにくくなる
本来本業の休みである時間を副業に割かなければならない場合は、身体を休める時間が減ってしまいます。
不慣れな案件では、学習コストや思考に時間を取る必要があるため、心身ともに負荷がかかり、本業や生活にも影響が出ることもあるでしょう。
PMとしての副業をする場合は、ワークライフバランスも考慮して案件を選びましょう。
ここまで、PMとして副業することのデメリットについて解説してきました。
次の見出しでは、PM副業案件に必要な経験・スキルについて解説していきます。
PMの副業案件獲得に必要な3つの経験・スキル
実際にPODが紹介している案件を見ると、PMの副業案件の獲得にはおもに以下3つのスキルが必要なことが分かります。
- プロジェクトマネジメント経験・スキル
- 問題解決能力
- チームを牽引する能力
各要素について詳しく見ていきましょう。
1.プロジェクトマネジメント経験・スキル
1つ目は、プロジェクトマネジメント経験・スキルです。
案件においては、PMとしてプロジェクト目標を設定し、タスク設計・管理をして納期に間に合うようにプロジェクトを推進する必要があります。
QCD(品質・コスト・納期)を意識し、チームメンバーのキャパシティなども踏まえて、正しくタスクを割り振る必要があります。
2.問題解決能力
2つ目は問題を解決するためのスキルです。PM副業案件を獲得するには、問題解決能力も求められます。
プロジェクトを推進していく中でチームが直面する様々な課題に対して、PMとして仮説を立てて課題を特定し、解決策を立案し、実行しなければなりません。
例えば、半導体不足などの社会的要因により、サーバーの導入に遅延が発生するなどの避けようのない課題に直面するようなこともあります。
そのような突発的な問題に冷静に対処するためにも、PMには問題解決能力が求められるのです。
3.チームを牽引する能力
3つ目はチームを牽引するスキルです。PMには、プロジェクトの総責任者としてチームを牽引する能力も求められます。
チームメンバーだけでなく、クライアントやベンダーなど各種ステークホルダーとコミュニケーションを取り、目標達成に向けて認識をすり合わせることもPMの仕事です。
時には、会議で方針をすり合わせたつもりでいても、一部のチームメンバーが方針を理解していなかったり勘違いしていたりすることがあります。
目標達成に向けて足並みを揃えるためにも、PMとして主体的に関係者をまとめ上げ、先頭に立ってチームを牽引していきましょう。
PMとして副業するために必要な経験・スキルについて把握した後は、実際にPM副業案件を獲得する方法を見ていきましょう。
PMの副業案件の獲得方法
PMの副業案件を獲得するためには、以下3つの方法があります。
- フリーランスマッチングサービスを利用する
- SNSを活用する
- 個人的な人脈を利用する
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.フリーランスマッチングサービスを利用する
フリーランスマッチングサービスで、PM副業案件を獲得することができます。
様々な案件から応募することができ、サービスによっては専門のエージェントによる手厚いサポートも受けられます。
個人的な人脈などによる案件獲得が難しい場合は、ノウハウを蓄積しているフリーランスサイトやエージェントを活用してみましょう。
弊社PODでは、独自のネットワークで獲得した豊富な高単価案件を紹介しています。
無料でサービスを利用できるため、PM副業案件をお探しの方はぜひお試しください。
2.SNSを利用する
SNSで情報発信することでも、PM副業案件を獲得できます。
XやFacebookに加え、WantedlyやLinkedInなどのビジネス特化型のSNSの利用もおすすめです。
プロフィール欄に実績やスキルを載せてアピールすることで、案件受注の確率を上げることができます。
経験やスキルが乏しい、または、SNS経由での案件獲得に手間がかかる場合は、まずはフリーランスマッチングサービスで小さい案件を獲得して実績作りをすることがおすすめです。
3.個人的な人脈を利用する
友人や、正社員の時に関わった過去のクライアントなどの個人的な人脈を利用することでも、PM副業案件を獲得できます。
ただし、過去のクライアント経由で案件を獲得する場合は、会社の規則に抵触する可能性があるため、慎重に確認しましょう。
繋がりの強い人脈がある場合は、コストをかけずに案件を獲得できる点がメリットです。
様々なPM副業案件を獲得方法があるので、ご自身に合った方法を選択ください。
次の見出しでは、PM副業に関する注意点について解説していきます。
PM副業に関する2つの注意点
PM副業をする場合、以下2つの点に気を付けましょう。
- 会社が副業を認めているか確認する
- 必要に応じて確定申告を行う
それぞれ詳しく解説していきます。
1.会社が副業を認めているか確認する
そもそも所属する会社が副業を許可しているかを確認する必要があります。
就業規則で副業が禁止されているのに副業をすると、最悪の場合、懲戒処分されてしまうこともあります。
まずは、就業規則を確認したり、上司や人事などに確認したりして、会社が副業を認めているか確認しましょう。
2.必要に応じて確定申告を行う
副業で所得を得た場合、確定申告により所得税を支払わなければならない場合があります。
会社での年末調整は、給与所得のみが対象となるため別途、確定申告が必要です。
ただし、所得が20万円以下の場合は、確定申告は不要です。
収入が20万円を超えていたとしても、経費計上により所得が20万円以下と判断され、確定申告が不要になる場合もありますので、経費扱いできるものは活用しましょう。
出典:「副業した後の税金の払い方は?確定申告する際の条件や注意点を解説|Money Forward クラウド確定申告」
「スマホで確定申告(副業編)|国税庁」
次の見出しでは、PM副業に関するよくある質問を紹介していきます。
PM副業に関するよくある質問
Q1.リモートワーク可能な案件はありますか?
A1.リモートワーク可能な案件もあります。
フルリモート可能な案件や、週に何日かの出社が求められる案件などがあるので、ご自身のニーズに合った案件を探してみてください。
Q2.PM未経験でもPM副業案件を獲得できますか?
A2.プロジェクトリーダー経験やコンサルティングファームへの勤務経験があれば、PM未経験でも受注できる可能性もあります。
弊社PODでは、経歴にマッチした案件を専門の担当者が紹介させていただきますので、ぜひお試しください。
まとめ-高単価なPM副業案件をお探しの方はPODまで
この記事では、PM副業案件の動向や、単価相場・案件例・案件獲得方法などについて解説してきました。
一定の経験・スキルをお持ちの方は、高単価なPM案件を獲得して、さらなる収入や経験に繋げることも十分可能です。ぜひPODを利用して、ご自身に合ったPM案件を獲得してみてください。
ランサーズ株式会社
POD編集部