マーケティングコンサルタントの年収を紹介!転職に役立つスキルや経験も解説
更新日:11月11日
マーケティングコンサルタントとは、マーケティングを行う際の課題を解決に導く仕事です。この記事では、マーケティングコンサルタントの年収に着目して、一般的な企業との違いや人気の企業の年収、年代別・分野別年収を業務内容と合わせて紹介します。また、マーケティングコンサルタントの年収を上げる方法やフリーランス向けのマーケティングコンサルタントの業務や報酬の一例についてもまとめています。
マーケティングコンサルタントの平均年収
マーケティングコンサルタントの平均年収は働き方や雇用形態によりさまざまで、正社員とフリーランスの年収レンジは以下の通りです。
- 正社員:400〜1,000万円程度
- フリーランス:500~900万円程度
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、正社員の平均給与が523万円のため、マーケティングコンサルタントは比較的年収の高い職業だと言えます。さらに、デジタルマーケティングやデータ分析などの最新スキルを持つマーケティングコンサルタントは、より高い年収が期待できます。
出典:令和4年分 民間給与実態統計調査
マーケティングコンサルタントの人気企業の年収
国内最大級の社員口コミサイトOpenWorkの調査によると、マーケティング関連のコンサルティングを行っている人気企業の平均年収は以下のとおりです。
企業名 | 平均年収 |
---|---|
アクセンチュア | 865万円 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,289万円 |
ボストン・コンサルティング・グループ | 1,537万円 |
デロイトトーマツコンサルティング | 957万円 |
PwCコンサルティング | 972万円 |
EYアドバイザリー | 901万円 |
KPMGコンサルティング | 912万円 |
ローランド・ベルガー | 1,322万円 |
ベイン・アンド・カンパニー | 1,219万円 |
出典:openwork
マーケティングコンサルタントは、高度な戦略立案のスキルやデータ分析能力が求めら、企業の成長をサポートする重要な役割を担っています。そのためプロジェクトの規模や個々のパフォーマンスにより、高い年収が期待できるでしょう。
マーケティングコンサルタントの業務内容とは?
マーケティングコンサルタントの業務例は以下の通りです。それぞれ詳しく紹介します。
- 戦略系マーケティングコンサルタント
- 調査系マーケティングコンサルタント
- 新規事業開発系マーケティングコンサルタント
- プロモーション系マーケティングコンサルタント
- SNS運用系マーケティングコンサルタント
- ブランディング系マーケティングコンサルタント
戦略系マーケティングコンサルタント
経営戦略や全体的なマーケティング戦略の立案を主な業務とするコンサルタントです。業界調査や市場調査、競合調査、企業風土や組織体制の把握、課題抽出、経営戦略・改善策の提案、実行などを行います。
調査系マーケティングコンサルタント
市場調査やデータ分析の結果を基に戦略を提案するコンサルタントです。顧客調査、顧客ニーズ・ユーザーペルソナの明確化、市場調査、市場規模や需要などの予測などを行います。
新規事業開発系マーケティングコンサルタント
新規事業の発掘やビジネスモデルの設計、市場投入戦略の策定を行うコンサルタントです。主に、ニーズ調査・分析、アイデア発想、商品リリースの支援などを担当します。
プロモーション系マーケティングコンサルタント
広告キャンペーンの企画・実行、効果測定などのプロモーション活動を行うコンサルタントです。主に、ブランドイメージ調査、プロモーション戦略策定などを担当します。
SNS運用系マーケティングコンサルタント
SNSなどのソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略の策定・運用を行うコンサルタントです。主に、各SNSの運用戦略策定、トレンド把握、分析、報告書の提出などを担当します。
ブランディング系マーケティングコンサルタント
ブランド戦略の構築やブランド価値の向上を専門とするコンサルタントです。主に、商品やサービスのイメージ調査、競合分析、海外進出時の現地でのブランディング、イベント企画・運営などを担当します。
マーケティングコンサルタントの年収を上げる方法
マーケティングコンサルタントの年収が高い理由は、高度な知識と技術で難しい経営課題を解決に導く能力があるためです。また、ほかの業態に比べると仕入れや設備が少なく利益率が高い点も年収の高さに関わります。そのため、マーケティングコンサルタントの年収を上げるには、以下の方法が効果的です。
資格を取得する
年収に直結するとはいいきれないものの、資格を取得するとマーケティングコンサルタントに関わる知識がどの程度あるのかが客観的に示せます。
クライアントに対して専門知識や技術、高度な提案力や課題解決能力を証明するには、以下のような資格取得が有効です。
- マーケティング・ビジネス実務検定
- Google Analytics認定資格
- MBA
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定とは、「国際実務マーケティング協会」が運営する民間資格です。マーケティングの知識を体系的に学び、実務に活かすことができます。C級、B級、A級の3つのレベルで構成されており、マーケティングの基礎知識から市場分析・調査などの業務運営、ブランド戦略や流通チャネル戦略までの領域を扱っています。合格率は、C級70~80%、B級50~60%、A級30~40%とレベルに応じて難易度が上がります。
Google Analytics認定資格
Google Analytics認定資格とは、Googleが提供するウェブ解析ツール「Google Analytics」のスキルを証明する資格です。試験の内容が実務に直結しているので、デジタルマーケティングの分野で非常に有用とされています。出題範囲は、データ収集・処理・構成、レポートの作成と分析、マーケティング目標の達成方法など、Google Analyticsの使用に関連する全般的な知識が問われます。合格率は公式サイトで公開されていませんが、公式のトレーニングや模擬試験を受けてしっかりと準備をすれば、合格は比較的容易とされています。オンラインで無料で受験できる点も特徴です。
MBA
MBA(Master of Business Administration)とは、学位のひとつで「経営学修士」を指します。ビジネススクールや大学院で経営学の修士課程を修了した者へ授与されるのが特徴です。マーケティング専攻のプログラムも多く存在し、ビジネス全体の視野からマーケティング戦略を考察できるスキルを習得することができます。
ビジネススクール(大学院)に合格するために必要な勉強時間は、一般的に4~6ヶ月といわれていて、難易度は入学試験の倍率で決まります。国内平均入試倍率は約1.9倍、入試倍率が高い大学院では4倍以上になる年もあり、入試までの準備期間からMBA取得までの期間は約1.5~2.5年程度です。
マーケティングに必要なスキルを身に着ける
マーケティングコンサルタントには以下のようなスキルが必要です。
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
- コミュニケーション能力
- 忍耐力
また、リサーチ・分析、戦略立案、デジタルマーケティング、文章・動画作成、デザイン、関連技術など培うべきスキルは多岐にわたります。これらについて書籍などを通して学ぶことで、論理的的思考力や業務遂行能力の向上が図れます。
実践を積む
情報への感度の高さや行動力、発想力などは経験により勘を磨くという側面があります。経験による勘だけでマーケティングコンサルタントとして活動することはできませんが、辛抱強く問題解決にあたるコミュニケーション力や忍耐力も一朝一夕には身に付きません。まずはリモートの副業から始めるなど、とにかく経験を積むことも大切です。
(フリーランス向け)マーケティングコンサルタントの年収シミュレーション
マーケティングコンサルタントはフリーランスとして活躍している人も少なくありません。ここでは、参考としてフリーランスのマーケティングコンサルタントの具体的な案件内容と報酬を紹介します。
広告SNS系の事例:CRM施策組み立て
化粧品メーカーのECサイトの初回購入からリピート購入につなげるCRM施策の構築案件です。デジタルを中心に初回購入者とコミュニケーションを図る計画を策定のうえ、プランの実施、モニタリングの実施、プラン改善などを行います。最初の1~2ヶ月で計画を作り込むため、自らの采配により稼働率や契約期間を調整する余地があります。
応募には以下のような経験が必要です。
- 女性向け商材のCRM計画立案
- 化粧品・女性向け商材EC
- メルマガ・SNS等による既存顧客リピート獲得・単価アップ施策
- 企画・メール作成・モニタリング(クリエイティブ以外)
業務内容 | 契約 | 経験 | 稼働率 | 報酬 | 想定年収 |
---|---|---|---|---|---|
CRM施策組み立て | エージェント経由 | 必要 | 30%~ | 100~150万円 | 360~540万 |
新規事業創出系の事例:BtoBマーケティング施策の見直し
金融系SaaS事業のBtoBマーケティングを見直す業務です。コールセンターやセールスチームと一緒に、トークスクリプトの作成などアウトバウンド施策の見直しを行うため、リモートとクライアント訪問両方での対応が必要です。
応募には以下のような経験が必要です。
- トークスクリプト作成
- セールス
- コールセンターの運用
業務内容 | 契約 | 経験 | 稼働率 | 報酬 | 想定年収 |
---|---|---|---|---|---|
アウトバウンド施策の見直し | エージェント経由 | 必要 | 50%~60% | 100~150万円 | 600~1,080万 |
一部事業担当系の事例:大手エンタメ会社グローバルセールスデータ統合PJ
グローバルなセールスデータをもとにデータドリブン型経営を行うための情報整理、企画、開発、運用体制構築などのプロジェクトを進める業務です。立ち上げ時には客先に常駐を行い、状況に応じリモートワークも可能です。
応募には以下のような経験が必要です。
- システム刷新PJのPM・PL/PMO
- ベンダー管理
- グローバルな複数のステークホルダーとの円滑なコミュニケーション
業務内容 | 契約 | 経験 | 稼働率 | 報酬 | 想定年収 |
---|---|---|---|---|---|
グローバルセールスデータ統合 | エージェント経由 | 必要 | 100% | 100~150万円 | 1200~1800万 |
まとめ:マーケティングコンサルタントの年収は高い!
マーケティングコンサルタントは、正社員、フリーランスと働き方によらず一般的な企業の正社員の2倍近い年収が目指せる職業です。働き始めたときの年収は一般的な会社員と同等でも、十分な実力があれば、若い段階でより高い年収を目指すことが可能です。今回紹介した企業や業務例を参考に、マーケティングコンサルタントを目指してみましょう。