“個の力を最大化させる仕組みをつくりたい” 失敗を糧に挑戦を続ける起業家の想いとは
更新日:3月25日
大学時代に立ち上げた事業が失敗。それでも挑戦を続ける若手起業家を突き動かすものは、「世の中を良くしていきたい」という強い信念でした。
今回は、大学在学中に友人と共同創業し、その後企業に就職するも再び事業を立ち上げるべく、フリーコンサルタントという働き方を選択された有吉 洋平さんにインタビューを行いました。
プロフィール
有吉 洋平さん
大学時代に友人と共同創業し、代表取締役を務める。大学卒業を機に退職し、欧州最大の戦略コンサルティングファームに新卒入社。製造業をはじめ、商社、金融業など幅広い業界のクライアントに対し、戦略策定等のコンサルティング業務に従事。現在はフリーコンサルタントとして活動する一方、新会社を設立し、事業立ち上げにも取り組んでいる。
大学時代の「起業失敗」が今につながっている
Q:現在はフリーコンサルタントとして活躍する一方で、会社の代表取締役も務められていますが、起業のきっかけは何だったのでしょうか?
実は、大学時代に友人2人と共同創業したことがあるんです。
当時アメリカで流行していたサービスを参考に、ホテルの当日予約ができるサービスを立ち上げたのですが、実際やってみるとなかなかうまくいかず、事業をいちから立ち上げることの難しさを痛感しましたね。
企業への就職を機に、会社は友人に引継ぎましたが、その後も事業は軌道に乗らないままだったため、メンバーと議論してサービス終了という決断を下しました。この挑戦は失敗に終わりましたが、当時の失敗経験は、その後、就職を経てからの起業にも役立っていると感じています。
Q:大学卒業後はどのような会社に就職されたのですか?
大学卒業後は、外資系の戦略コンサルファームに就職しました。大学時代、リーダーシップに興味があったのですが、就職先にコンサルファームを選んだのは、コンサルティング業界にリーダーシップマインドを持った人が多く集まるのではないかと考えたからです。
コンサルファームを経て、再度、起業に挑戦
Q:その後、コンサルファームからフリーランスに転身されていますが、どのような理由からでしょうか?
コンサルファームでの仕事は、大きな会社だからこそ感じる課題はあるものの、やりがいを感じていましたが、再び起業したいという気持ちが強くなったのが理由です。
大学生で起業した際に感じた「新しい事業を生み出す楽しさ」をまた味わいたいという気持ちがあったのと、「優秀な人はどんどん起業する世の中にならないとダメだ!」という想いから、いつかまた起業したいとずっと考えていたんです。
挑戦するならば、独り身の若いうちにやろうと思い、決断しました。
Q:会社を辞めることに不安はありませんでしたか?
会社を辞めて、自分の事業1本でやっていくことに多少の不安はありましたね。
私の場合、自身の事業と併せてフリーコンサルタントとして活動している先輩から話を聞く機会があったのですが、そこでフリーランスでもしっかり稼げることを知りました。
その後は、コンサルファーム在籍中にPOD(旧:コンサルサーチ)に登録し、面談の結果、案件が豊富にあることがわかったので、フリーコンサルタントになる決心がつきました。
Q:フリーランス転身時に気をつけた方がよいことはありますか?
私はコンサルファーム在籍中にPODに登録して、フリーランスになる準備を進めましたが、自分に合った案件が十分にあるのかを事前に確認してから動き出すことをお勧めします。
また、コンサルファームに在籍していると、時間に余裕がなく、視野が狭くなりがちです。だからこそ、意識的に外に目を向け、キャリアの選択肢を広げることが大切かもしれません。
Q:PODを利用してみた印象を教えてください。
POD以外にも2社のサービスに登録しましたが、PODが一番丁寧に対応してくれたため、現在に至るまで長く利用しています。
丁寧な対応という点以外でいえば、親会社がドリームインキュベータであることも、PODの大きな強みだと思います。大手の戦略コンサルファームを親会社に持つからこそ紹介できる案件やテーマがあると思いますし、安定した案件数の提供にも繋がっていると思います。
Q:現在の働き方について、もう少し詳しく教えてください。
3割をフリーコンサルタント、7割を自社の活動に費やしています。フリーランスになった当時は、フリーコンサルタントの割合が多かったのですが、2~3年くらい経った頃から徐々に稼働を減らすことができ、現在は自分の事業に割合を寄せられています。
フリーコンサルタントとしての仕事は、曜日固定ではなく、クライアントとの打合せ日に合わせて設定しています。過去には曜日固定で活動していた時期もありましたが、現在担当しているクライアントが柔軟な働き方を推奨しているところが多いため、必要な時だけ出勤しています。
私自身、柔軟な働き方を希望しているので、案件内容だけでなく、クライアントとの相性や働き方もマッチしていると思います。
フリーコンサルタントと事業を両立する上で難しさを感じることもあります。例えば、フリーランスの仕事はクライアントありきなので、スケジュールをコントロールしきれないことがあります。自社のリリースと被らないようスケジュールを調整しきれなかった時は大変ですね。
Q: フリーランスのメリットはどのようなところにあると感じますか?
時間的、物理的、経済的制約から、ある程度自由になれることが挙げられますが、その結果、リソースやお金を自分の事業など好きなものに使えることが、最大の魅力だと思います。
また、案件を選べる自由度の高さも大きなメリットのひとつです。私の場合、今後挑戦してみたいと考えている領域の案件を担当することで、知識と経験をより高めることに繋げています。
個の力を最大化させる仕組みをつくりたい
Q:今後、ご自身の事業では、どんなことに挑戦していきたいと考えていますか?
個の力を最大化させる仕組みをつくることで、世の中がより良くなっていく。その後押しになるような仕組みやサービスづくりに挑戦していきたいと思っています。
例えば、現在注目しているのは研究者です。ものすごい可能性を秘めた優秀な人材であっても、大企業の研究所で研究員として指示された作業を黙々とこなすだけ…というケースも多く、そういった研究者たちがもっと活躍できる仕組みをつくれないだろうかと考えています。
フリーコンサルタントへの転身を検討されている方へ
Q:最後に、フリーコンサルタントへの転身を検討されている方へのメッセージをお願いします。
フリーランスになったら企業に再び就職できないかもしれない、と心配している方の声を聞くことがあります。ですが、フリーランスとして活動した後、再び大企業に転職する方も多くいますし、興味があるなら挑戦してみて良いと思います。
会社勤めしているだけではわからなかった自由が手に入りますし、やり方次第では自由とお金、両方を手に入れることもできると思います。役職などの肩書きに拘らないのであれば、私個人はフリーランスの方が絶対に良いと考えています。
今後さらに成長していくマーケットだと思うので、選択肢として検討しない手はないと思いますよ。
終わりに
お話、ありがとうございました。
ご自身を器用貧乏と称されながらも、「世の中を良くしていきたい」「人類の発展に貢献したい」という熱い想いを胸に、アグレッシブに様々な挑戦を続ける有吉さん。その志と人柄が多くの人を惹きつけ、目標の実現を支える力になっているように感じました。
フリーコンサルタントと会社経営を両立させながら、理想に向けて挑戦を続ける有吉さんを、今後も応援し続けていきたいと思います。