“地方創生に挑戦するためにフリーランスに転身” 若手コンサルタントがフリーランスになって得たものとは
更新日:3月25日
フリーランスという働き方は、自分に正直でありたい人にとって、理想に一歩近くための一つの手段と言えるのかもしれません。
今回は、学生時代からの目標を実現するために「フリーコンサルタント」という働き方を選択された奥村 政哉さんにインタビューを行い、フリーランスに転身した経緯からフリーコンサルタントとしての働き方、今後の目標などを伺いました。
プロフィール
奥村 政哉さん
鉄道やホテルなど、多角化経営を行う某大手HD会社に新卒入社。1年後、コンサルティングファームに転職し、業務改革・改善を中心に様々な企業のコンサルティングを担う。約3年半務めた後に退職。現在は、自身の事業に取り組みながら、フリーランスコンサルタントとしても活躍中。
将来の起業準備としてコンサルティングファームに転職
Q:フリーコンサルタントになる以前のキャリアを教えてください。
A:新卒で事業会社に入社して1年ほど勤めたあと、総合コンサルティングファームに転職しました。コンサルティングファームに転職した目的のひとつは、将来、自分で事業を起こしたいと考えていたので、事業を運営するにあたって必要なスキルや経験を積むためでした。
奈良の魅力を世界に発信するべく事業の立ち上げを決意
Q:その後、コンサルティングファームからフリーランスに転身されていますが、どのような理由からでしょうか?
A:出身地である奈良県の魅力をもっと多くの人に知ってもらうべく、奈良の魅力を世界に発信する事業を立ち上げようと大学生の時から決めていたんです。フリーランスへの転身は、事業を始めることを決意してコンサルティングファームを辞めた際、自分の事業とは別に一定額の収入を定期的に得ていくための手段として選択しました。
Q:地方創生の事業に興味をもったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
A:学生時代に1年かけて世界一周旅行をしたんです。旅先で出会った外国の方と話をする中で、東京や大阪は知られている一方で、私の出身地である奈良はまだまだ世界で認知度が低いことを知りました。そういった体験から、「自分の手で奈良をもっと魅力溢れる土地にしていきたい。そして、魅力を発信していきたい!」。そう考えるようになったことがきっかけです。
Q:フリーランスになるにあたって、不安や困ったことはなかったですか?
A:自分の事業をメインに捉えていたこともあり、事前の不安はほとんどありませんでした。コンサルティングファームに約3年半勤めた経験から、どんな案件でもある程度担当できるだけの力をきちんと身につけた、という自分への自信もひとつの要因かもしれないですね。
ただ、フリーランスとして案件を主体的に探すという点においては、多少の不安を感じました。案件の多くが東京エリアに集中するなか、奈良に事務所を構えている関係から関西近郊の企業の支援を希望していたため、案件数は少なくなるだろうと思ったからです。ですが、実際はPOD(旧:コンサルサーチ)経由で希望にマッチする案件がすぐに見つかったので、当初抱えていた不安は早い段階で解消することができました。
Q:PODを利用してみて、どういった印象を受けましたか?
A:コンサルタント登録後の面談では、担当者の人柄の良さや、業界に関する様々なインプットを与えてくれた点から、とても良い印象を抱きました。
ヒアリングがとても丁寧で、業務内容や場所、報酬が私の希望にマッチする案件を早々に紹介してもらえました。また、クライアントとの面談に向け、案件の詳細に加え、面談相手がどんな方か、役職だけでなく人間性に関する情報も提供してくれるなど、手厚いフォローが受けられ、とても助かりました。
結果、フリーランス転身後すぐに案件を決めることができましたし、私の場合、個人の事業もやっているので、フリーランスの契約周りの事務手続きを代行してもらえるのも助かっています。
フリーコンサルタントに転身して得た自由
Q:どのような働き方を実現していますか?
A:フリーコンサルタントの仲介サービスは、PODのみを利用しています。稼働率は80%、平日4日を当てており、残りの3日とフリーランスでの仕事後は自分の事業に専念しています。時間の融通が利くので、バランスを取りながらやれており、想像していたよりもうまく両立できています。
また、東京に在中しつつ、奈良で事業を展開する私にとって、クライアントのオフィス拠点が東京と大阪にあるというのも、移動が1本化できて助かっています。毎週、火曜日は東京、水・木・金曜日は大阪、土日は奈良、というリズムが作れたことは、自分にとって大きなことでした。
Q: フリーランスのメリットはどのようなところにあると感じますか?
A:フリーランスの魅力は、時間とお金における自由度の高さです。特に時間に関しての実感が大きいですね。24時間を何にどう使うか。生活と仕事それぞれの時間配分を自分の裁量で決められるところに魅力を感じています。自分で決めたからにはやり切らないといけない、という覚悟も必要になりますが、自分で時間を使い、人生を決めていっている感覚があって楽しいです。
お金に関しては、コロナウイルスによる経済への影響といった予期せぬ事態が生じた際にも、個人事業1本ではなく、フリーランスとしての収入があったことは、非常に助かりました。また、事業を運営する者としては、フリーランスで得た収入を事業投資に回すなど、資金繰りにおける選択肢を増やすことにも繋がっており、お金に関する自由度も高くなりました。
Q:コンサルファーム時代と比べ、ギャップに感じることはありますか?
A:良いことと課題に感じることがありました。
良いことは、考え抜いて作ったアウトプットをクライアントに直接提案できる点です。いつ働き、どういった成果物をクライアントに提出するのか。その判断を責任持ってやり切れるところに、やりがいとともに、働く上での自由度を感じています。
課題に思うところは、コンサルタントとして成長していくにあたり、ロールモデルとなる存在や相談相手を得難い点です。作成した資料に対するフィードバックをもらう、高いレベルの資料を目にする、といったインプットの機会が減ってしまうため、成長の機会をどう担保していくのかという課題感は、フリーランスになってから抱くようになりました。そのため、勉強会やイベントに参加したり、書籍を使って知識を増やすなど、インプットの機会を自主的に設けるよう心がけています。
Q:働いてみて感じる正社員とフリーランスの違いは何ですか?
A:契約形態が違うだけで、コンサルタントとしてやるべきことは本質的には変わらないと思います。
フリーランスになると担当範囲や成果物に対する責任がより大きくなりますが、私の場合、コンサルティングファームに勤めていた時から、クライアントへの提出物や資料といった担当制作物に対して、ある程度権限を与えられていたため、業務における違いをそこまで感じていません。
一方で、クライアントのプロジェクトに「コンサルティング企業のチームの一員」としてではなく、「個人」として加わるという点において2つの違いを感じます。
1つ目は、クライアントとタスク分担をしていくところです。1から10まで全て自分一人で手を動かしてやり切ることは現実的ではないので、部分部分をクライアントに担当してもらいながら、最終的な成果物をコントロールする能力が求められます。
2つ目は、クライアント相手であっても、確認すべきことは素直に聞くという点です。フリーランスになる前は、不足している知識や情報があった場合、基本的には社内の専門家や知見のある社員へヒアリングして補っていました。
しかし、現在は個人で支援しているので、以前と同じようにはいきません。業界特有の知識等は自身でのインプットはもちろんのこと、クライアントと積極的に会話する中で収集するように心がけています。
自分が果たすべき役割に違いはありませんが、結果を出すために必要なアクションや働きかける相手は、フリーランスになって変わりましたね。
フリーランスと個人事業の相乗効果で提供価値の幅を広げる
Q:今後の目標を教えてください。
フリーランスと個人の事業でうまく相乗効果を出していきたいと思っています。例えば、個人の事業でメディアの広告支援をしているクライアントに対し、広告支援に限らず、業務改善やマーケティング支援もトータルで支援できる体制を整える。このように、フリーランスでの経験やスキルを自分の事業に掛け合わせていくことで、クライアントへの提供価値の幅をより広げていけいければと考えています。
フリーコンサルタントへの転身を検討されている方へ
Q:最後に、フリーコンサルタントへの転身を検討されている方へのメッセージをお願いします。
A:自分で考え抜き、自分で案件を回しきれる。そういったスタンスやスキルをお持ちの方は、私個人の感想ですが、フリーランスに向いていると思います。私自身、フリーランスへの転身に後悔はありません。
フリーランスになることで、時間やお金に関する自由度は増します。また、コンサルタントとしてやっていくのか、他のことに挑戦していくのか。今後の自分のキャリアを考えるための挑戦の機会にもなります。そこに魅力を感じる方は、フリーランスに挑戦してみる価値があると思います。
事業を始めたい、経営しているという方も、フリーランスという選択肢は、すごく“あり”だと思います。0か100かで考えず、リスクヘッジをしながら自分の事業を育てていくやり方として、フリーランスとの両立はおすすめです。
終わりに
お話、ありがとうございました。
インタビューの中で、「自分が正しいと思えるまで考え抜き、正しいと思うことをやる。」というモットーで日々、仕事に向き合っているとおっしゃっていた奥村さん。
今、奥村さんが学生時代からの目標を具現化するところまで来ているのは、このモットーをキャリアの面でも愚直に貫いてきた結果のように感じました。
フリーコンサルタントと個人の地方創生事業を両立させながら、理想に向けて挑戦を続ける奥村さんを、今後も応援し続けていきたいと思います。