人事コンサルタントが独立するための方法とは?メリットや成功させるポイントを解説
更新日:8月20日
人事コンサルタントはファームや企業に所属し会社員として働くだけでなく、フリーランスとなり独立する働き方もあります。人事コンサルタントとして独立すれば高収入が狙える、柔軟な働き方ができるといったメリットがある一方、独立の際に注意が必要なポイントもあります。
今回の記事では、人事コンサルタントが独立するメリット・デメリットに加えて独立する方法や独立に必要なものを解説します。独立後の案件獲得方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
人事コンサルタントが独立するメリット
人事コンサルタントが独立するメリットは以下の通りです。
- ライフスタイルに合わせた働き方ができる
- 高収入が期待できる
- 仕事を通じてスキルアップできる
- 人脈が広げられる
それぞれについてくわしく解説します。
ライフスタイルに合わせた働き方ができる
独立をすれば、勤務開始時間や就業時間、勤務地といった縛りがなく、企業に属しているよりも柔軟な働き方ができます。
納期を遵守すれば、自分のペースで仕事を進めることも可能です。ライフスタイルに合わせて働きたいときなども、独立は選択肢となるでしょう。
自分のペースで仕事をしたい人やプライベートと仕事を両立させたい人などに独立は向いています。
高収入が期待できる
人事コンサルタントを含めコンサルによる報酬は、企業に属している場合にはファームで分配された金額が自分の収入となります。独立すれば、基本的に自分で請け負った仕事はすべて自分の収入にできるため、同じ案件や工程でも独立後の方が高収入を期待できるでしょう。自分のスキルやノウハウを増やすことで、より高額な案件の受注も可能となります。
人事コンサルタントは、時代の流れや市場に左右されることがない、人事に関する課題解決や改革に関するニーズを解決できる職種です。安定した需要が見込めるのも、人事コンサルタントで高収入を得られる理由といえるでしょう。
スキルアップのチャンスが広がる
人事コンサルタントとして独立すれば、さまざまな業種の人事や組織のコンサルを手掛けるチャンスがあります。
ひとつの業種や業界に限定されないため、スキルアップのチャンスも多いでしょう。
人脈が広げられる
独立することで案件を通じて多くの人との出会いがあります。人脈が広がることから、新しい案件を獲得するチャンスも広げられるでしょう。
人事コンサルタントが独立するデメリット
人事コンサルタントが独立することで発生するデメリットは以下の通りです。
- 収入が安定しない
- 本業以外にやるべき業務が多い
デメリットについてくわしく解説します。
収入が安定しない
会社員のときには毎月安定した収入が確保されていますが、独立すれば安定した収入の保証はなくなります。自分で実績を積み上げて信頼を勝ち取らなければ、安定した収入は得られません。事業が安定するまでに、資金が底をついてしまう可能性があることも考えておきましょう。
本業以外にやるべき業務が多い
独立するとコンサルティング業務以外に、新規開拓を含めた営業活動や経営、経理といったほかの事務作業も自分で行わなければいけません。また確定申告の手続き等も必要です。本業のコンサルティング業務に集中したいときは、一部の業務を外部委託したり、スタッフを採用したりといった方法も検討しましょう。
人事コンサルタントが独立する方法
人事コンサルタントが独立する方法は、個人事業主(フリーランス)か法人設立のいずれかです。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
個人事業主(フリーランス)
個人で案件を獲得し事業を展開する形態です。依頼主(クライアント)と業務委託契約を締結し、業務を担うことで報酬を受け取ります。法人よりも独立開業がしやすいことがメリットです。ただし法人よりも社会的信用を得にくく、融資が通りにくいため資金調達が難しくなることがあります。
また、基本的に個人で事業を行うため、人事コンサルティングに関する業務以外の事務作業や営業活動等も自分で行わなければいけないことを覚えておきましょう。
法人設立
法人格を取得して事業を展開する形態です。個人事業主の所得税率は所得金額695万円超900万円以下は23%、900万円超1,800万円以下は33%に対して、法人は800万円以下15%、800万円超23.2%のため、所得金額によっては個人事業主より税率が低くなります。収入が700~800万円を超える場合には法人化した方が節税になるでしょう。
開業時の手続きが個人事業主よりも煩雑で、株式会社の場合は25万円前後、合同会社は10万円前後の初期費用が必要です。なお経営が赤字でも、法人住民税の均等割は納税しなければいけません。
人事コンサルタントが独立するために必要なもの
人事コンサルタントが独立するために必要なものは以下のふたつです。
- 独自性と専門性の高いスキル
- 幅広い人脈のネットワーク
それぞれくわしく解説します。
独自性と専門性の高いスキル
人事コンサルタントと一口にいっても、採用、教育、労務、評価とさまざまな分野があります。独立後に安定して案件を受けるためには、独自性と専門性の高いスキルを身につけておくようにしましょう。
幅広い分野で活躍できるコンサルタントを目指すことで幅広いクライアントの要望に応えられるメリットはありますが、専門性の高さではほかのコンサルタントが優位に立つことがあります。特定分野のプロフェッショナルになると、クライアント側へ仕事として発注しやすい案件を提案できたり、特定領域でほかの人事コンサルタントよりも優位性に立てたりする可能性があります。
たとえば採用や教育領域でのプロを目指すなら「会社説明会の設計ができる」「特定の学生(文系、理系、体育会系など)の採用に特化した活動設計ができる」など、独自性を身につけることでほかの人事コンサルタントとの差別化が図れ、優位性を保てるでしょう。
幅広い人脈のネットワーク
幅広い人脈のネットワークを構築しておくことで、独立後も継続的に案件を受注することにつながる可能性が高いです。
人脈ネットワークがあれば、友人や知人を介して幅広い業界や業種での受注が得られる可能性が高いため、自分の仕事の幅も広げられるでしょう。ひとつも仕事がない、といった最悪の事態も防げます。
人事コンサルタントが独立後に案件を獲得する方法
人事コンサルタントが独立後案件を獲得するための方法は以下の通りです。
- 友人や知人の紹介
- 求人サイト
- クラウドソーシングサービス
- SNS
- エージェント
案件を獲得する方法について具体的に解説します。
友人や知人の紹介
知人・友人から案件を紹介してもらう方法です。人脈を利用してコンサルティングを求めている企業を紹介してもらえれば、営業活動を行う手間なく案件が獲得できます。エージェントやプラットフォームなどのように仲介手数料が発生しないため、提示された報酬をそのまま得られるメリットもあります。案件の紹介を受けた人や、依頼をした相手とも交流があれば、人柄を理解しているため仕事もスムーズに進めやすいでしょう。
ただし知人や友人からの紹介が、本業の企業の契約違反やマナー違反に当たることがあります。知人や友人からの紹介を受けて仕事をすること自体に問題がないかを確認したうえで依頼を受けるようにしましょう。
求人サイト
インターネット上で公開されている求人サイトを利用して案件を探す方法です。空いている時間を使っていつでもどこでも案件探しができ、気軽に利用できます。ただし、人気の案件は競争率が高くなかなか受注できないことも理解しておきましょう。
クラウドソーシングサービス
ランサーズやクラウドワークスといった、オンライン上で案件探しや仕事の受発注ができるクラウドソーシングサイトを利用する方法です。受注したい業務や自分の経験・スキルに応じた案件が探せますが、報酬にばらつきがあります。
SNS
自分で情報発信をしているSNSを活用して案件を獲得する方法です。企業側から声をかけられる可能性が高く、営業活動の手間がありません。FacebookやLinkedInなどのビジネス向けSNSには、ITコンサルタント側から応募できる求人投稿もあるため、活用するのも有効です。ただしすぐに受注できる即効性には欠けることから、ほかの方法との併用がおすすめです。
エージェント
人事コンサルティングをはじめとした、コンサルタントの案件に特化したエージェントを利用する方法です。経験やスキルを併せ持っていても、フリーランスや起業間もない頃は、営業活動に苦戦するといわれています。条件の交渉やスケジュール調整といったこともエージェントにお任せできるのがメリットで、一般的に公開されていない非公開案件の紹介も受けられます。ただし仲介手数料等が発生する場合もあります。
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人事コンサルタントが独立を成功させるためのポイント
人事コンサルタントが独立を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- すべて自分の責任という覚悟を持つ
- 副業をはじめておく
- エージェントサービスに登録する
- 案件を獲得している状態で独立する
- 資金を確保しておく
- ニーズ以上のパフォーマンスを発揮できるようにする
- 自分のキャリアや能力を把握しておく
- 業務効率化を意識する
- 安定した収入源を確保しておく
- セキュリティ対策を行っておく
それぞれのポイントについて解説します。
すべて自分の責任という覚悟を持つ
独立すれば、自分のミスや失敗をカバーしてくれる人はいなくなります。企業という組織の中では、上司や先輩などが自分の代わりに責任を負ってくれることもありますが、独立後はすべて自分の責任となります。
原因はスタッフのミスなどで、たとえ自分自身に非がないとしても、クライアント側に迷惑をかけていれば自分の責任となります。独立の際には、すべて自分の責任であることが前提であるという覚悟を持っておきましょう。
副業をはじめておく
独立前に副業をはじめておきましょう。会社員を辞めて起業するといったゼロの状態で仕事を受注するのは効率的ではありません。会社員のうちに副業をはじめ、継続的な仕事が得られるきっかけを作ったり、本業以外の分野の依頼を請け負ったりすることで、起業してから案件ゼロの状態が続く、といったリスクを回避しやすくなります。自分のスキルや能力が独立後通用するかどうかの目安もわかるでしょう。就業規則上で問題がないなら、独立前に副業をして備えておくのがおすすめです。
人事コンサルタントの副業についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
エージェントサービスに登録する
今は人事をふくめたコンサルタントのフリーランスと企業をマッチングさせるサービスやプラットフォームも多くリリースされています。独立前に登録しておくことで、起業後にスムーズな案件の受注につながります。エージェントサービスやプラットフォームからは自分自身の情報を企業へ発信することもできるため、マーケティングの面でも有効です。
案件を獲得している状態で独立する
すでに案件を獲得している、または案件が獲得できそうな状態で独立しましょう。事業が軌道に乗るまではある程度時間がかかるためです。見切り発車をすると、起業したもののしばらく案件がない、ということもあります。前述のエージェントサービスへの登録をはじめ、独立後の案件獲得方法を参考に、さまざまな方法で案件を獲得できる基盤を作っておきましょう。
資金を確保しておく
起業後すぐに案件を受注でき、業務が完了しても報酬を手にするまではタイムラグが発生することもあります。独立後の資金繰りについて考えておきましょう。おもに起業後は、最低限の生活費に加えて以下の費用が発生します。
- サービスやサイトの登録料
- ツールなどの購入費用
- 営業活動(広告、交通費など)の費用
- 交流会などの費用
- オフィスの賃料
- 法人化のための費用 など
予想以上に出費が発生する可能性もあるため、最低でも2~3ヶ月分、できれば半年分の生活費と経費を見込んだ資金を確保したうえで起業するのがおすすめです。手元資金が底を突くと精神的にも悪影響となります。資金面で不安がある場合は起業を一旦見送る方が良い場合もあるでしょう。
ニーズ以上のパフォーマンスを発揮できるようにする
業務委託契約の場合、短期間での契約が多くなります。クライアントのニーズ以上の成果を出せれば、長期での契約更新や新しい案件を受注できる可能性が高くなります。案件を一つひとつ受けて数をこなすのではなく、クライアントの求めている以上のパフォーマンスを発揮することで、継続的な案件獲得を目指しましょう。案件が継続すれば、契約時に報酬の価格交渉ができる可能性も上がります。
自分のキャリアや能力を把握しておく
受注する案件によって報酬はもちろん、拘束時間や仕事の進め方が異なります。契約の際には契約内容をしっかり検討し、自分の能力に対して適正な業務内容や価格設定かどうか見極めましょう。
独立したてのときは、納得がいかない金額を提示されたとしても、案件を獲得できたことへの安心感が勝ってしまい「数をこなせばいい」と考えてしまうかもしれません。その結果自分の能力に対して適正でない価格設定で次の契約もされる等、自分の価値を自分で下げてしまう危険性があります。
また、自分のキャパを超えた業務を無理に引き受けてしまうと、体調を崩すなどの不測の事態が発生したときに、納期を破る結果になる恐れもあります。
自身のキャリアや能力をしっかり把握したうえで、適切な価格や作業量での契約をすることが重要です。独立したばかりでも、契約交渉は慎重に行うようにしましょう。
業務効率化を意識する
近年企業では働き方改革の取り組みが進み、ワークライフバランスを重視するために業務効率化が進んでいます。企業だけでなく、フリーランスも同様です。クライアントが望む成果を維持しつつ時間を短縮できるようなパフォーマンスを発揮できると、こなせる仕事量の増加や、案件管理が楽になるといったメリットが得られます。
たとえば契約書類作成はツールを使用する、スケジュールやタスク管理をツールやアプリで行う、といった方法があります。
さらにクライアント側にも成果は維持しつつ短時間で仕事を遂行できる、という自分の価値を提示できるでしょう。
安定した収入源を確保しておく
独立後に重要となるのが安定性です。会社員のときのように給料が振り込まれることが確定していないため、安定した収入源を確保しておくことで独立後のスムーズな滑り出しにつながります。まずは1社継続して長く契約できるクライアントが確保できれば、ひとまず独立は成功といえるでしょう。クライアントと強い関係を構築することを意識して案件に取り込むことをおすすめします。仕事がなくなるとコンサルタントとしてのパフォーマンスも下がるため、安定した受注先は確保しておくことが重要です。
セキュリティ対策を行っておく
独立後はクライアントの機密データや重要な情報システムに関わることも多いです。情報漏えいなどが発生すると、クライアントの信頼を失い、フリーランスとしても致命的になります。パスワードの適切な管理、認証強化やデータの暗号化といったセキュリティ対策をしっかり行っておきましょう。
まとめ
人事コンサルタントとして独立するメリット・デメリットとともに独立の方法や独立後の案件獲得方法、独立を成功させるためのポイントを解説しました。人事コンサルタントとして独立すれば、高収入が得られるだけでなく、幅広い業種や業界の依頼を受けることで、自分のコンサルタントとしての可能性も広げられます。豊富な案件の紹介が受けられるエージェントに登録するなどして、独立後も安定して案件を受注できる体制を整えておきましょう。
ランサーズ株式会社
POD編集部