人材コンサルタントの副業とは?メリット・デメリットや案件の種類、はじめ方を解説
更新日:11月8日
少子高齢化による人手不足や多様な働き方の実現など、企業の持つ人材に関する課題を解決する人材コンサルタントの需要が伸びています。人材コンサルタントは本業として活躍するだけでなく、副業も可能です。人材コンサルタントの副業は多くのメリットが得られる一方で、踏まえておくべきデメリットや注意点もあります。
今回の記事では、人材コンサルタントの副業のメリットやデメリットとともに、案件の種類や案件獲得方法について解説します。人材コンサルタントの副業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
人材コンサルタントの副業の需要・将来性
市場や社会情勢の不安定さなどから、効率的な経営を求めている企業も多くなりました。会社の資源である人材を最大限活用するための提案やアドバイスを提供する、人材コンサルタントの将来性は高いと言えます。
副業を希望する人も増加傾向にあります。総務省「就業構造基本調査」資料によると、副業を希望している雇用者数は年ごとに増加していることが分かりました。
以上から人材コンサルタントの需要は高く、副業の案件なども増加傾向になると予測できるでしょう。
人材コンサルタントの副業のメリット
人材コンサルタントの副業によって得られるメリットを解説します。
収入がアップする
人材コンサルタントの副業をはじめることで、本業に加えて収入源が増えます。追加収入は生活費にするのはもちろん、貯蓄やスキルアップのための自己投資などにも使用できるでしょう。
起業前に人脈を作れる
今後人材コンサルタントとしての独立を検討している場合、仕事の受注先として人脈が必須となります。人材コンサルタントの副業を通じて知り合った取引先が、独立後の取引につながる人脈となる可能性も高いです。
時間を有効活用できる
副業案件には、さまざまな業態があり土日や平日の就業後といった本業に影響のない時間に業務を請け負えるものもあります。空いている時間を有効活用して収入を得られるだけでなく、計画性や時間のマネジメント能力を身に付けられるのも副業ならではのメリットです。
スキルアップにつながる
副業は自分で案件獲得や時間の管理を行うほか、経費と利益の計算、作業と報酬のバランスを考えるといった経営者目線での作業も発生します。人材コンサルタントの副業を通じて、本業や独立後にも役立つスキルの習得ができるでしょう。
人材コンサルタントの副業のデメリット
人材コンサルタントの副業には、メリットが多い一方で知っておくべきデメリットもあります。副業を検討する前に踏まえるべきデメリットを順に解説します。
プライベートの時間が減ってしまう
人材コンサルタントの副業は、空いている時間を利用して行うためプライベートな時間が減少してしまうことがあります。趣味や家族のための時間や、休養時間が確保しにくくなるほか、クライアントの予定に合わせる必要があるため、プライベートな時間に制約を受けることがあるかもしれません。副業の案件を受ける前には、本業と副業、プライベートな時間のバランスを考えて負担にならない時間の使い方を把握しておく必要があります。
副業の収入が安定しにくい
人材コンサルタントの副業で受け取る報酬は、こなした案件の数や規模、稼働時間に応じて変動します。そのため、副業のみで安定した収入を得ることは難しいかもしれません。特に副業をはじめたばかりのときにはなかなか案件を安定して獲得できないこともあるため、収入アップ目的で副業を検討しているときには注意が必要です。
副業上でもプレッシャーが発生する
副業とはいえ人材コンサルタントの仕事として請け負っているため、本業とは別のプレッシャーが発生する可能性もあります。人材コンサルタントとしての成果を出すために、本業の業務と並行して副業の案件をこなすための勉強や準備も必要です。副業のクライアントとの関係や成果が出せないことで悩むこともあるかもしれません。副業のプレッシャーが本業に悪影響をおよぼしてしまうのは本末転倒です。業務内容や条件をしっかり確認し、案件を受けるようにしましょう。
人材コンサルタントの副業案件の契約形態
人材コンサルタントの副業案件には、さまざまな契約形態があります。おもな契約形態の特徴を順に解説します。
顧問契約(アドバイザリー契約)
企業との間に中長期的な契約を結ぶのが顧問契約です。顧問契約を結ぶと、人材コンサルタントとして面談および電話・メールでのアドバイスを中心に行うことになります。中長期的なサポートを行うため副業でも安定した報酬が得られる一方で、案件に関わる期間は比較的長いです。
スポット契約
業務に従事した時間に応じて、報酬が支払われるのがスポット契約です。「時間報酬型」や「スポットコンサル」とも呼ばれています。部分的な業務が多く、空いている時間を利用して無理なく副業をしたいときにも向いているでしょう。ただし、スポット契約の案件のみで安定した報酬を得るには、多くの作業時間を費やす必要があります。
成功報酬型契約
人材コンサルタントとしての成果に応じて報酬が変動するのが成功報酬型契約です。「成果の〇〇%」といった形で報酬が設定されています。大きな成果が出せれば高額報酬が期待できますが、成果が出なければ報酬が得られません。
プロジェクト型契約
立ち上げられたプロジェクト単位で業務を行うのがプロジェクト型契約です。報酬はプロジェクトの規模によって変動します。プロジェクトの規模が大きいほど報酬は高くなる傾向にありますが、拘束時間や契約期間も長くなることが多いです。報酬と稼働時間のバランスを考えて、案件を受注すると良いでしょう。
人材コンサルタントの副業案件の種類
人材コンサルタントの副業案件の種類を解説します。
リクルーティングアドバイザー業務
リクルーティングアドバイザー業務とは、人材を探している企業に対するコンサル業務です。具体的には、新規開拓営業、企業との採用要件の打ち合わせや求人票の作成などが該当します。
キャリアアドバイザー業務
キャリアアドバイザー業務とは、仕事を探している個人に対する業務です。具体的には、求職者の集客、求職者との面談・キャリアカウンセリングや求人紹介などを行います。
副業人材コンサルタントの案件獲得に必要なスキル
人材コンサルタントの案件獲得に求められるスキルを解説します。
専門的な知識
人材コンサルタントは、キャリアや人材育成の領域での改革や課題解決のための戦略立案や提案、アドバイスを行うのがおもな業務です。当然ながら、キャリアや人材育成、採用などの分野に関する専門的な知識が必要です。
コミュニケーションスキル
人材コンサルタントは、企業の人事領域の変革を担うこともあるため、企業の社員からの反対を受けることもあるでしょう。人材コンサルタントとして、人事の仕組みを変える明確な理由を論理的に説明できる、コミュニケーションスキルが求められます。場合によっては専門用語をわかりやすく言い換える必要もあります。
チームとして人材コンサルタントの業務にあたるときにも、メンバーとわかりやすく明確なやり取りができるコミュニケーションスキルがあれば、プロジェクトもスムーズに進められるでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
人材コンサルタントとして副業を行うとき、本業と副業、副業同士と複数の業務を掛け持ちすることも多いです。そのため、複数業務を円滑に遂行するためのプロジェクトマネジメントスキルが求められます。具体的には、スケジュールや自分が持っているタスクの管理能力などです。
データ分析スキル
人材コンサルタントは、クライアントが抱える人材領域での課題解決のための提案をするので、人材に関するデータの比較や計画への反映といったデータ分析スキルが必要になります。データを適切に分析し、企業の人事担当が円滑に実践できる計画を立案するスキルが必要です。
データ分析能力は経験を積むことでも取得できるスキルのため、副業でひとつずつ着実に案件をこなすのも有効です。
人材コンサルタントの副業案件の探し方・獲得方法
人材コンサルタントの案件を探す方法や獲得方法を順に解説します。
求人検索エンジンで探す
求人検索エンジンでは、任意のキーワードで自分の希望条件に合った仕事の検索ができます。人材コンサルタントの案件探しで何を使えばいいか分からないときにも気軽に利用できるでしょう。ただし競争率が高く人気の案件はすぐに応募が埋まってしまう点に注意が必要です。
キャリコンサーチに登録する
人材コンサルタント領域の中でも、キャリアコンサルタント資格を取得している、またはキャリアコンサルタントとしての実績を持っているときには、厚生労働省が運営するキャリアコンサルタントの検索システム「キャリコンサーチ」に登録し、副業をはじめる方法もあります。
クラウドソーシングサイトやスキルマッチングサービスを利用する
クラウドソーシングサイトやスキルマッチングサービスを利用することで、案件獲得につながることもあるでしょう。代表的なサービスとして、ランサーズやクラウドワークス、ココナラなどがあります。サービスに登録することで、人材コンサルタントを求めている企業の案件に応募できるほか、企業側から声がかかることもあるでしょう。ただし同じ作業量、レベルの案件でもクライアント側の条件や報酬にばらつきがあるため、しっかり案件を精査する必要があります。
人材派遣サービスに登録する
人材派遣サービスでは、フルタイムだけでなく週1勤務、土日のみ、在宅勤務といった人材コンサルタントの案件を取り扱っていることもあります。自分のライフスタイルに合わせた働き方をコーディネーターに伝えておき、希望条件とマッチする案件があれば紹介が受けられるでしょう。
友人や知人の紹介
友人や知人といった人脈を活用して案件を紹介してもらう方法です。営業活動を行う手間がない、スキルマッチングサービスやエージェントサービスのように仲介手数料がかからないといったメリットがあります。ただし副業で案件を紹介してもらう場合、友人や知人からの紹介が本業で所属している会社との契約違反やマナー違反に当たることがあるので注意が必要です。案件の紹介を受ける前に、会社の就業規定についても確認しておきましょう。
SNSを活用する
SNSを活用し、自分で情報を発信し案件獲得につなげる方法です。SNSを見た企業側から声をかけられることもあり、積極的に営業活動を行う必要もありません。FacebookやLinkedInなどのビジネス向けSNSもあります。ただし受け身の案件募集であり案件獲得までの即効性がない点に注意が必要です。SNSで情報を発信しつつ、ほかの案件獲得方法を併用すると良いでしょう。
エージェントサービスを利用する
コンサルタントの案件に特化したエージェントサービスを利用する方法です。エージェントサービスでは求められるスキルや要望のレベルは高いものの、高い報酬が得られるハイレベルな案件も豊富にあります。すでに人材コンサルタントとして数年以上の経験があり、他の分野で業務経験を積むために副業したいときにも有効です。一般的に公開されていない非公開案件の紹介も受けられ、条件の交渉やスケジュール調整なども可能です。なおサービスの利用には仲介手数料が発生します。
人材コンサルタントの副業案件獲得のためにエージェントサービスを利用するなら「POD」をぜひご検討ください。PODは、フリーコンサルタントのためのハイクラス案件紹介を行うサービスです。高単価案件や上流案件に特化しており、リモート案件や長期案件も充実しています。85%を占める豊富な非公開案件の取り扱いに加え、継続率90%を実現するサポート力の強さが魅力です。人材コンサルタントの副業案件獲得にも、ぜひご活用ください。
人材コンサルタントの副業での注意点
人材コンサルタントの副業を行う上で知っておくべき注意点を解説します。
無理なく自分に合った働き方を選ぶ
本業と副業を上手に両立させるためにはスケジュール調整や時間の管理が必須です。副業をすることで、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。本業の稼動時間や自分の体調などを踏まえて、無理のないスケジュールや働き方が可能な案件を選ぶようにしましょう。
アウトプット業務の手間や時間を理解しておく
副業で人材コンサルタントを担う場合、本業よりも文書化してアウトプットする業務が増えます。たとえば本業では、アシスタントなどが文書作成などの事務作業をサポートしてくれることが多いですが、副業ではこれらの業務もすべて自分自身で行わなければいけません。アウトプット業務も副業の出来栄えやクライアントからの評価に影響するため、アウトプット業務もていねいに高品質を意識して行うようにしましょう。
確定申告を忘れない
副業で得た収入額が、年間20万円を超す場合は確定申告が必要です。一定の収入があるにもかかわらず確定申告を行わない場合、脱税の容疑がかかることもあります。目安として月額1万7000円弱以上を継続的に収入として得られそうであれば、あらかじめ開業届と青色申告申請書を提出することがおすすめです。副業にかかる経費を控除申請できます。
本業を疎かにしない
副業に力を入れ過ぎてしまうと、睡眠や休養のための十分な時間が得られなかったり、プライベートな時間が得られなかったりといったリスクがあります。心身に無理がかからないように、本業に支障が出ないよう副業の調整が必要です。
リスク管理を万全にする
人材コンサルタントの業務は、本業でも副業でも機密情報の取り扱いやセキュリティ対策を万全に行う必要があります。万が一情報漏洩などのセキュリティインシデントが発生した場合、クライアントからの信頼が落ちてしまい副業の案件を受注しにくくなるといった悪影響が出ます。
特に副業では情報漏洩や守秘義務違反、セキュリティ対策も自分で行う必要があるため、案件を受注する際には万全の体制を敷いておきましょう。
本業の勤め先での副業規定を確認しておく
本業で働いている企業が副業禁止、または企業側が副業を容認していても上司や職場への報告必須の場合があります。情報漏洩のリスクや労働時間の管理や把握ができない、といった理由から副業禁止や報告必須としている企業が多いです。就業規定で副業禁止と明記されている場合でも法的な拘束力はありませんが、規則をやぶった場合、就業規定通りに罰則が与えられる可能性が高いことを覚えておきましょう
「副業をこっそり行えばバレない」と考えている方もいるかもしれませんが、バレるリスクはあります。企業で雇用契約を結んでいる人は、全員年末調整の時期に「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」を提出します。「給与所得者の基礎控除申告書」には、本業の給料と副業の収入を合わせた金額を「給与所得」として記載しなければなりません。副業での収入を給与として記載しなくても「給与所得以外の所得の合計額」欄に副業での収入を記載する義務があるため、給与所得の金額から副業がバレることになります。
さらに社会保険に関する書類から副業がバレる可能性も高いです。社会保険はひとりにつき1組合しか加入できないため、「年106万円以上の収入がある」といった社会保険加入義務要件を満たす勤務先がふたつ以上ある場合には「被保険者所属選択届・二以上事業所勤務届」を提出し、給与を合算した額で社会保険料を決めなければいけません。社会保険の書類を勤め先とやり取りする必要が出てくるため、副業がバレてしまうことになります。
副業が禁止の企業で副業がバレると懲戒免職となる可能性もあるため、副業を検討しているときには就業規定などをしっかり確認しておきましょう。
人材コンサルタントの副業のよくある質問
人材コンサルタントの副業に関するよくある質問と回答を順に紹介します。
週に1回のみの人材コンサルタントの副業もある?
人材コンサルタントの副業案件の中には、週に1回でも十分稼動できる案件もあります。コンサルタントに特化したエージェントサービスを活用することで、自分の働き方やスケジュールに応じた案件も得られるでしょう。たとえばPODは稼働率での案件探しも可能です。リモート勤務も含めた、非公開求人も取り扱っています。
完全リモートや在宅での人材コンサルタントの副業はある?
コンサルティングを提供する場所にしばられない副業を検討しているときには、完全リモートや在宅勤務可能の人材コンサルタント案件を取り扱っているプラットフォームで案件探しをすると良いでしょう。たとえばPODならリモート案件の取り扱いが全体の77%を占めています。すきま時間を利用して収入を得たい方や、本業に支障がない範囲で副業を検討しているときにも良い選択肢となるでしょう。
まとめ
人材コンサルタントの副業の契約形態や種類、副業を行うメリット、デメリット、副業を行う上での注意点を解説しました。人材コンサルタントは社会的なニーズが高く、今後も副業を含めた安定的な案件の獲得が期待できます。人材コンサルタントの副業を検討しているときには、自分が希望する働き方や報酬が実現できる案件を獲得することが重要です。コンサルタントに特化したエージェントサービスなどの利用も検討し、副業案件の獲得を目指しましょう。