副業で財務のスキルを活かそう!副業の種類やはじめ方を紹介
更新日:11月1日
副業が認められる企業が増える中、財務関連の副業の種類も増えています。財務関連のスキルをお持ちであれば、副業を通じて収入を増やしたり、さらなる経験を身につけたりするチャンスです。本記事では財務の副業について、仕事の種類や見つけ方、収入などをご紹介します。
財務の知識を活かし、スキマ時間に副業をはじめてみませんか?
現在、財務や経理関係の仕事に就いている方や過去に財務関連の経験のある方、また今後、財務関連の仕事に就きたいと勉強中の方にとって、副業は、収入源となるだけでなく、スキルや経験を磨くための願ってもないチャンスです。
本記事では、財務の知識やスキルを活かした副業の種類やメリット・デメリット、副業のはじめ方などをご紹介します。
副業に関心のある方やこれからはじめてみたい方は、ご自身の知識やスキルを武器に、次のステップに踏み出しましょう。
財務職こそ副業をはじめるべき3つの理由
財務職は、企業にとってきわめて重要な財務戦略の策定や資金管理を中心となって行う部署です。それだけに、企業の中でも最も優秀な人材が集められている部署だともいえます。そういった財務関連職で、なぜ副業をはじめるべきなのでしょうか? ここでは主要な3点の理由を説明します。
財務職は高い専門性を備えている
財務職は、会計基準や税法、また金融関連の専門知識を踏まえて、企業の経営戦略策定や投資判断を行います。多くの企業が、財務専門職の持つ専門知識を求めています。
広範なニーズのある財務の知識として、以下のものがあります。
- 会計・簿記の知識
財務職は、財務諸表から会社の経営状況を分析・判断し、課題を見つけ出して、対策を考えるのが主な仕事です。そのため、複式簿記で作成された会計データを読み解きます。 - 税務の知識
財務職は、税務申告や帳票管理、節税対策など、税の専門家としての役割も持ちます。 - 金融関連の知識
企業にとって、金融機関からの融資は、資金調達の中心的な方法です。自社に最もあった資金調達を選定して、必要な書類を用意した上で資金計画を立てるのも、財務職の役割です。その知識やスキルを求める企業は多くあります。
財務職は幅広いスキルを備えている
財務職は専門知識だけでなく、幅広いスキルや経験を備えています。
- 分析力
企業の財務データを分析し、経営状況を把握する能力は、コンサルティングやデータ分析の仕事で求められます。 - 問題解決能力
財務問題の解決策を提案したり、新しい業務に対応したりする能力は、変化の激しいビジネス環境で活躍するために不可欠です。 - コミュニケーション能力
財務職は、経営陣と営業部署、製造部署などの各部署をつなぐ役割として、高いコミュニケーション能力が求められます。また発見した課題や解決策をわかりやすく、受け入れやすい形で指摘・提案する際にも、コミュニケーション力が必要です。
財務職の高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力は、対人関係を円滑に進める能力として、あらゆる仕事で求められます。
財務職の経験を広げられる
上記2つは、多くの企業から求められる財務職の専門知識やスキルに焦点を当てたものですが、副業は、財務職の可能性を広げるという側面も見逃せません。というのも、財務部に在籍していると、特定の財務業務のみに偏る傾向があるからです。
財務職に就いている人が副業によって、異業種やスタートアップ、非営利団体、フリーランスなど、さまざまな組織や個人の財務を支援したりコンサルティングしたりすることで、新しい知見や幅広い視野を身につけられます。
反対に、副業で得た知識を本業に活かすことで、本業での成長も期待できます。
財務職の副業とは?
財務職が行う副業には、どのようなものがあるかを見ていきましょう。
記帳代行
記帳代行は、個人事業主や中小企業の経理事務を代行する仕事です。具体的には、以下の業務が含まれます。
- 仕訳伝票の作成
売上や仕入、経費などの取引を仕訳伝票に記録します。 - 補助簿の作成
売掛金や買掛金、固定資産などの補助簿を作成します。 - 決算書の作成
貸借対照表や損益計算書などの決算書を作成します。 - 税務申告書の作成
所得税や法人税などの税務申告書を作成します。
個人向け財務アドバイザー(財務パーソナルコンサルティング)
個人向け財務アドバイザーは、クライアントの資産運用や家計管理、年金計画などをサポートする仕事です。クライアントの資産を増やして、豊かな生活を送れるように、中・長期的な支援を行います。
具体的には、以下の業務が含まれます。
- 資産状況の分析
クライアントの資産状況を分析し、現状の中から課題を発見します。 - 目標の設定
顧客のライフプランや目標に合わせて、短期的・中期的・長期的な目標を設定します。 - 最適な資産運用プランの提案
クライアントの目標達成のために、最適な資産運用プランを提案します。 - 定期的なフォローアップ
クライアントの資産状況の変化に合わせて、定期的にフォローアップを行います。
企業向け財務コンサルティング
企業向け財務コンサルティングは、企業の財務状況を分析し、経営改善のためのアドバイスや事業計画立案を支援する専門性の高い仕事です。
具体的な業務は、以下のものがあります。
- 財務分析
企業の財務データを分析し、経営状況を評価します。 - 課題の特定
企業が抱える財務上の課題を特定します。 - 改善策の提案
課題解決のための具体的な改善策を提案します。 - 事業計画の立案
中長期的な事業計画の立案を支援します。
財務ソフトの導入支援
財務ソフトの導入支援は、企業に合った財務・経理関連のソフトウェアを導入し、運用をサポートする仕事です。システムの構築などIT全般の高い専門性が求められる部分は、ITコンサルタントやベンダーが担当しますが、ユーザーサイドに立ち財務専門家の立場から意見のとりまとめや提案を行います。
- ヒアリング
現場や管理職のヒアリングを十分に行い、企業や財務・会計部署の業務内容や規模に合わせて、ITコンサルタントやベンダーと相談しながら最適なソフトウェアを決定します。 - 導入ロードマップの策定
ソフトウェアの導入に向けたロードマップを策定します。 - 操作マニュアルの作成
従業員がスムーズにソフトウェアを操作できるように、マニュアルを作成します。 - 教育プログラムの策定
従業員が操作に慣れ、スムーズにソフトウェアを使って業務が進められるよう、操作教育の実施計画を策定します。
財務の教育・指導を行う
中小企業の経営者や起業家に、財務関連の知識や情報を提供する仕事です。具体的には、以下の業務が含まれます。
- 財務セミナーの開催
財務に関する知識を体系的に学べるセミナーを開催します。 - 個別指導
経営者や起業家に対して、個別指導を行います。 - 財務に関するノウハウの情報発信
財務ノウハウをわかりやすく伝える本を執筆したり、ブログで発信したり、教育動画を作成したりするなどの情報発信を行います。
財務職が副業を行うメリット
財務職の経験を活かして副業を行うことは、本業だけでなく、多くのプラスをもたらします。以下に、副業を行うメリットを5つに分けて詳しく解説します。
1. 安定した副収入を得られる
複数の収入源を持つことで、経済的な安心・安定が期待できます。さらに、今後のステップアップを行うために経営大学院に進んだり、留学したりする際の学資にすることも可能です。
2. スキルを拡充することができる
本業では経験できないような新しいスキルを身につけられます。
例えば、財務コンサルティングの副業では、クライアントの業種や事業規模によって、様々な業界の知識や課題解決能力を習得できます。また、新しいツールやソフトウェアを使うことで、ITスキルを向上させることも可能です。
3. キャリアアップにつながる機会が得られる
副業を通じて、異なる業界や職種の人や企業と仕事をする機会が増えます。これにより、人脈を広げ、新たなキャリアパスを開拓できます。また、副業での経験は、転職活動の際のアピールポイントにもなります。
4. モチベーションを向上できる
副業で成功体験を積むことで、仕事に対するモチベーションが向上します。収入が増えたり新しいスキルを習得したりすることで、自己肯定感が高まり、仕事にも良い影響を与えるでしょう。
また、副業を通じて得られた経験は、本業の仕事にも活かせます。
5. 新しいビジネスチャンスを発見できる
副業を通じて、新たなビジネスチャンスを発見できる可能性があります。例えば、副業で出会った人との共同事業や、副業で培ったスキルを活かした起業などが考えられます。
副業は、新たなキャリアのスタート地点となるかもしれません。
財務職が副業を行うリスク
財務職が副業を行うことは、収入の増加やスキルアップにつながる一方で、様々なリスクも伴います。以下に、財務職が副業を行う際に注意すべきポイントを5つまとめました。
1. 時間管理の難しさ
本業を終えてスキマ時間で副業を行うことになるため、時間管理が厳しくなってしまいます。また、 過度な労働による本業のパフォーマンス低下や健康問題には、十分に気をつけておかなければなりません。
2. 本業への影響
財務職は企業にとって、機密性の高い情報を扱う部署です。そのため、企業によっては副業が許可されていなかったり、事前承認が必要だったりする可能性があります。
隠して副業を行ったとしても、住民税や社会保険料から会社側にそのことが知られてしまう可能性もあるため、副業は本業に影響のない範囲で行う必要があります。
3. 財務情報の漏洩
副業を通じて得た情報や本業の機密情報を適切に管理していないと、情報漏洩のリスクが高くなります。不正アクセスやサイバー攻撃によって漏洩しないよう、徹底したセキュリティ管理が重要です。
また、副業で扱うデータが本業の情報と混在しないように、業務管理・タスク管理ソフトを活用しましょう。
4. コンプライアンスと倫理
多くの企業では副業に関する規定があり、その規定を遵守する必要があります。 会社の副業に関する規定を事前に確認しておきましょう。
また、副業が本業の利益と競合する場合、利益相反の問題が生じる可能性があります。「利益相反」として問題になるような例をいくつか見ておきましょう。
- 例1:本業の取引先から個人事業として業務委託契約で仕事を請ける
- 例2:勤務先の競合で副業を行ったり、セミナーを開催したりする
- 例3:部品の調達などで利害関係がある取引先で副業を行う
5. 確定申告をしなかった場合はどうなる?
副業で20万円以上の所得を得た場合は、確定申告が必要になります。
所得とは、収入から経費を引いたものです。例えば、副業で年間30万円の収入を得て、パソコンなど15万円の経費がかかった場合、副業所得は15万円で申告の必要はありませんが、経費がかからなかった場合は、申告しなければなりません。
副業収入が多かったにもかかわらず、正確に申告しない場合には、税務調査を受けたり、ペナルティを課せられたりする可能性があります。
財務職の副業のはじめ方
財務職で副業を探す場合の方法は、主に以下の5つがあります。
クラウドソーシングサイトに登録する
クラウドソーシングサイト(ランサーズ、クラウドワークスなど)は、様々なスキルを持つ人々と企業をつなぐプラットフォームです。
経理や財務、税務に関するスキルを活かせる案件が多数掲載されており、自分のスキルや希望する報酬に合わせて仕事を選べます。
エージェントに登録する
エージェントは、専門性の高い人材を企業に紹介するサービスを提供しています。特に、財務や経理分野に特化したエージェントに登録することで、自分に合った案件を紹介してもらえます。
フリーコンサルタントのためのハイクラス案件紹介「POD」
「POD」は、フリーコンサルタント向けのエージェントサービスです。高単価案件や上流案件に特化しており、リモート案件や長期案件も充実しています。非公開案件は85%にも上り、継続率90%を実現する充実したサポート力も高い評価を得ています。財務コンサルタントの副業案件獲得に、ぜひご活用ください。
経理代行業務専門のサービスに登録する
経理代行業務に特化したサービスは「マネーフォワード経費BPO」「freee経理アウトソース」「会計アウトソース」など数多くあります。このような代行サービスに登録することで、企業の経理業務をサポートする仕事が見つかります。
求人サイトで探す
一般的な求人サイトでも、「副業」や「業務委託」「リモートワーク」など条件を絞って財務・経理業務の求人を探すことができます。
ブログやYouTube、自治体の講座などで情報発信する
自分の知識やスキルをもとに、個人事業者の経理や税務などに関連するお役立ち情報などをブログやYouTubeなどで発信することで、フォロワーを増やし、影響力を高められます。
また、自治体の公共施設で中小企業の経営者向けに財務セミナーなどの講座を開講するという方法もあります。将来的に独立を希望する人にとっておすすめの方法で、地域の新たな人脈づくりに効果的です。
自治体では、専門的なスキルを持つ人のセミナーや講座を定期的に募集しているため、自分が希望する地域の広報に目を通しておきましょう。
財務職の副業 気になる報酬は?
財務職のスキルを活かして副業をはじめたいと考えている方にとって、報酬は気になることのひとつです。ここでは、報酬と密接に関連する働き方と合わせて説明します。
どういった就業の仕方がある?
副業の働き方は、本業のボリュームやライフスタイル、スキル、そして求める収入によって大きく変わってきます。最初に一般的な働き方のパターンを整理しておきましょう。
- 週末
土日祝日に集中して作業を行う方法です。本業との両立がしやすく、プライベートの時間も確保しやすいのがメリットです。 - 週1〜2時間
週に1〜2時間程度、隙間時間を使って作業を行う方法です。本業への影響も少なく、無理なく続けられます。
副業初心者にも行いやすい副業の形態といえます。 - 1日3時間程度
1日に3時間程度、まとまった時間を副業に充てる方法です。集中して作業に取り組め、効率的に進められます。
本業が忙しくなる時期は難しい場合がありますが、週末に働く方式と併用しながら進めましょう。
報酬は?
副業の報酬は、働き方や業務内容によって大きく異なります。
- 事務関連
- 記帳代行: 月額3万円~が相場となりますが、業務内容や業務量によって変動します。
- コンサルティング
- 財務分析: 案件の規模や難易度によって大きく変動しますが、1件あたり10万円~が目安です。
- 事業計画策定: より高度なスキルが求められるため、内容・業務範囲にもよりますが、報酬も高額になる傾向があり、1件あたり30万円~が目安です。
報酬に影響を与える要素
条件の良い案件を探す上で、押さえておくべきポイントを理解しましょう。
- スキルレベル: 専門性が高く経験が豊富であれば、高額な報酬が期待できます。
- 業務内容: 複雑な業務や責任の重い業務ほど、報酬は高くなります。
- クライアント: 大企業やスタートアップ企業など、クライアントの規模や業種によっても報酬は異なります。
またスタートアップは単価あたりは低くても、継続して関わりつつ成長を助けるという役割が求められるなど、クライアントによって仕事内容も変わってきます。 - 実績: 過去の仕事の実績や評価によって、報酬交渉に有利に働くことがあります。
報酬交渉のポイント
副業案件は、基本的にクライアントから報酬の提示があります。今後の自分の実績づくりのためにも、提示をそのまま受け入れるだけでなく、報酬交渉をしてみましょう。
報酬交渉の際に押さえて置くポイントは、以下の3点です。
- 自分の経験・スキル・資格を明確にする
これまで手掛けてきた案件や、自分の持つスキルや資格を整理して、報酬交渉の際にすぐに提示できるようにしておきましょう。 - 相場を把握する
事前に類似案件の報酬の価格帯を調べて、報酬を決定する要因を押さえておき、交渉に盛り込みましょう。 - 契約内容をしっかり確認する
報酬だけでなく、支払い条件や契約期間、継続性の有無なども事前に確認しましょう。
財務職で副業をはじめる際の注意点
財務職のスキルを活かして副業をはじめたいと考えている方は、収入だけでなく、契約形態や税金などに注意する必要があります。
ここでは、副業をはじめる際に特に注意すべき2つの点を説明します。
契約形態について注意する
副業の契約形態は、一般的に準委任契約と請負契約の2種類があります。
- 準委任契約
クライアントから依頼された業務の遂行を目的としたものであり、業務遂行に対して報酬が支払われます。コンサルティングや技術指導などは、主に準委任契約が交わされます。 - 請負契約
クライアントから依頼された業務の完成を目的としたものであり、業務の結果に対して責任を負う必要があります。報酬は仕事の完成に対して支払われます。記帳代行などの仕事に対して、請負契約が交わされることが一般的です。
請負契約には、さらに「直請」と「下請」という区分があります。
- 直請: クライアントと直接契約を結ぶことです。
- 下請: 他の企業から仕事を受託し、さらに別の企業に仕事を委託することです。例えば、あるコンサルティングファームから、別の企業が使用するソフトウェアの使用法の作成を請け負ったりするような場合です。
副業契約(コンサルティング契約)を結ぶ際には、次の点を確認しておきましょう。
- 責任範囲: どの程度の責任を負えるか、自分のスキルや経験と照らし合わせて検討しましょう。
- 報酬: 報酬の支払い方法やタイミング、遅延時の対応など、詳細な内容を確認しましょう。
- 契約期間: 契約期間が定められている場合は、契約終了後のことを考えておく必要があります。
- 解約条件: 契約を途中で解除する場合の条件を確認しましょう。
会社の副業規定を確認する
ほとんどの企業は、副業を認めていても、副業に関する規定を設けています。副業を行う前に、必ず自社の規定を確認して違反しないように注意しましょう。
- 禁止事項:どのような行為や事業が禁止されているかを確認しましょう。
- 時間制限:何時間以内、月何日以内など、制限が設けられていないかを確認しましょう。
- 許可申請:事前に副業内容や時間も含めた申請書の提出を求められる場合は、それに従いましょう。
財務スキルを活かして副業をはじめよう
財務職の副業は、経済的な安定だけでなく、今後財務職としてキャリアアップしていくことにもつながる、メリットの多い選択肢です。
現在の企業で成長したい人や、将来的にコンサルタントとしての独立を希望する人などは、自身のスキルや興味に合わせて、様々な副業に挑戦して豊かなキャリアを築いていきましょう。
PODでは、財務職にある人にとって魅力的な副業案件を数多く紹介しています。ぜひPODを活用し、新たな一歩を踏み出してください。