経営コンサルタントの平均年収は?領域や年代、ファーム別の年収も紹介
更新日:8月20日
経営コンサルタントの仕事を探している方の中には、どの程度の年収になるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、経営コンサルタントについて、業務領域別や年代、ファーム別の年収や年収が高い理由、年収の上げ方などについて詳しく解説していきます。
経営コンサルタントの年収
経営コンサルタントは、企業の経営課題を解決するための支援を行う専門家です。
ヒヤリングや調査をもとに課題分析を行い、解決のための提言を行います。
経営コンサルタントは、コンサルティングファームと呼ばれるコンサルティングを専門とした会社に所属し、チームでプロジェクトに参画するケースが一般的ですが、最近ではフリーランスとして個人で活動するケースも見られます。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、経営コンサルタントの年収は、正社員や自営、フリーランスなども含めて780.9万円です。
令和4年度の正社員の平均給与が523万円と比較してみると、経営コンサルタントの年収が高いことが分かります。
出典:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
令和4年分民間給与実態統計調査|国税庁
それでは、経営コンサルタントの年収について、雇用形態/年代/業務領域別で詳しく見ていきましょう。
経営コンサルタントの仕事内容などについて詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
経営コンサルタントとは?仕事内容・年収・必要スキルなどを徹底解説
雇用形態別の年収
正社員
大手転職サイトの求人を独自調査したところ、正社員の経営コンサルタントの年収のボリュームゾーンは、600~700万円でした。
未経験入社1年目の場合は400万円程度となる可能性もありますが、マネジメント層になると年収1,000万円以上も多数存在します。
出典:経営コンサルタント – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
フリーランス
弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービス「POD」の案件を見ると、100%稼働の場合は100~150万円が相場です。契約期間は案件によって違いますが、1か月として仮定すると、1,200~1,800万円の年収が見込めます。
中には、~40%の稼働で100~150万円の案件もあり、例えば、戦略立案/ビジネスモデル構想策定などの上流工程、グローバルプロジェクト、DX支援などの経験がある方は、より高い年収を望めるでしょう。
PODのサイトには全体の15%程度の求人のみが掲載されており、その他にも85%の非公開求人があります。フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODを利用してご自身に合った求人を探してみてください。
正社員+副業
例えば、フリーランスで副業として土日のみ40%稼働した場合の収入が40~60万円/月と仮定した場合、正社員の年収と合わせて、約1,100~1,400万円の年収が見込めます。
上述した通り、高度なスキルを求められる案件に携わることで、約1,800~2,500万円程度の年収を実現することも可能です。
年代別の年収
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、経営コンサルタントの年代別の年収は以下の通りです。
25~29歳の時点で正社員の平均給与を超える年収となり、その後50~54歳までは基本的に右肩上がりで上昇して1086.2万円に到達します。
統計データ的には、55歳以降は右肩下がりで年収は下がっていきますが、パートナーなどと呼ばれる執行役員クラスの役職に就き、1億を超える年収を実現している方もいます。
年代 | 年収 |
---|---|
~19歳 | 195.1万円 |
20~24歳 | 426.9万円 |
25~29歳 | 606.1万円 |
30~34歳 | 723.2万円 |
35~39歳 | 746.0万円 |
40~44歳 | 944.1万円 |
45~49歳 | 840.5万円 |
50~54歳 | 1086.2万円 |
55~59歳 | 923.1万円 |
60~64歳 | 755.8万円 |
65~69歳 | 514.5万円 |
70~歳 | 426.3万円 |
業務領域別の年収
FCONが調査したコンサル業界TOP60の年収をふまえると、業務領域ごとの平均年収レンジは以下の通りです。
(経営コンサルタントは求められる役割が広く、戦略領域などの案件にも関わる機会があるため、幅広く領域を抽出しています。)
戦略や中小M&Aなどの領域においては、年収が高まる傾向があります。
領域 | 年収 |
---|---|
戦略 | 1,000~1,800万円 |
総合 | 600~1,200万円 |
中小M&A | 1,250~1,450万円 |
FAS | 1,000~1,250万円 |
組織人事 | 750~950万円 |
シンクタンク | 650~950万円 |
中小経営 | 650~850万円 |
AI・データ | 650~900万円 |
出典:コンサルティング業界の最新平均年収ランキングTOP60|FCON
全体的に経営コンサルタントの年収は高く、領域によっては年収1,000万円を超えることも十分可能な職種であることが分かりました。
次は、コンサルティングファーム別の年収を解説していきます。
経営コンサルタントの人気企業の年収
以下の表は、コンサルティングファームについて、外資/内資に分けて年収を整理したものです。
属性 | 企業名 | 年収 |
---|---|---|
外資系 | PWCコンサルティング | 951万円 |
デロイト トーマツ コンサルティング | 942万円 | |
EY ストラテジー・アンド・コンサルティング | 909万円 | |
KPMGコンサルティング | 900万円 | |
アクセンチュア | 866万円 | |
内資系 | 野村総合研究所(NRI) | 974万円 |
ベイカレント・コンサルティング | 873万円 | |
アビームコンサルティング | 807万円 |
出典:コンサルティング業界の最新平均年収ランキングTOP60|FCON
外資系ファームでは、BIG4と呼ばれる世界4大監査法人のグループファームや、アクセンチュアが人気企業として挙げられ、いずれも900万円前後の高い年収です。
いずれの会社も戦略立案~実行支援まで幅広く支援していますが、基本的に戦略部隊は別会社として切り離して設立しているケースが多く、実行支援に関する案件の割合が高いことは留意する必要があります。
内資系ファームでは、野村総合研究所(NRI)は戦略部隊も内包しており、年収も高水準です。
これらの人気ファームは倍率が高く、採用試験を突破することは簡単ではありません。しかし、その分高い年収を得られるだけでなく、若くして責任の重い仕事に携わる機会に恵まれるため、スキルアップには良い環境と言えます。
続いて、なぜ経営コンサルタントの年収が高いのかについて解説していきます。
経営コンサルタントの年収が高い理由
経営コンサルタントの年収が高い要因としては、以下が挙げられます。
- 重要な経営課題の解決に寄与するクライアント内部にない専門性
- 第三者による客観的な助言
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
重要な経営課題の解決に寄与するクライアント内部にない専門性
経営コンサルタントの年収が高い理由の一つが「専門性」です。
クライアントがコンサルタントに仕事を依頼する案件テーマの多くは、クライアントにとって本業ではないが、経営において重要課題であるケースが多く見られます。クライアント側で専門性を持った人材がおらず、ノウハウが足りないため、外部のコンサルタントに仕事を依頼するわけです。
専門性に付加価値が生まれるため、専門性が高いまたは希少性が高いほど、コンサルタントの報酬は高まる傾向があります。
第三者の客観的な視点
クライアント自身の専門領域であっても、重要な経営判断において経営コンサルタントを活用するケースがあります。
それが「第三者の客観的な視点」です。
自社内で検討するだけではついつい自社に都合の良いストーリーを構築してしまい、誤った判断に繋がる恐れがあります。
外部の経営コンサルタントを活用することで、業界構造やトレンドなどもふまえた客観的なアドバイスを貰うことができます。
外部のコンサルタントを入れてでも間違った判断を避ける必要があるというのは、会社の根幹に関わる重大課題であるケースが多く、こうした背景からコンサルタントの報酬が高額になる傾向があります。
次は、経営コンサルタントとしてさらに年収を上げる方法を見ていきましょう。
経営コンサルタントの年収を上げる4つの方法
以下4つの方法により、経営コンサルタントとしてさらに年収を上げることができます。
- 特定領域などの経験を積んで役職を上げる
- 戦略などの上流工程に近い領域に特化する
- 独立する
- フリーコンサルタントとして高単価案件を獲得する
方法1.特定領域などの経験を積んで役職を上げる
コンサルティングファームで会社員として経営コンサルタントに従事している場合、役職を上げることで年収アップを目指すことができます。
経験が浅い場合は、スタッフ層としてまずは1つのプロジェクトにアサインされますが、1つのプロジェクトを主導できる程の実力を積んだ後は、マネージャーとして複数プロジェクトを管轄します。その過程で、例えば金融業界やマーケティングなどの特定領域の知見を培い、自ら案件を獲得できるようになるとさらに上の役職に昇進することができます。
ファームによって呼び方は変わりますが、パートナーなどと呼ばれる最上位ランクに就くと1億を超える年収も狙えるでしょう。
方法2.戦略などの上流工程に近い領域に特化する
戦略などの上流工程に近い領域に関わることも年収を上げる方法の1つです。
戦略コンサルティングファームの年収が高いように、より経営の根幹に近くインパクトの大きい領域に関わることで、その分高い報酬を獲得できます。
年収アップだけでなく、社会的インパクトの大きいプロジェクトを推進する達成感も得られることでしょう。
方法3.独立する
経営コンサルタントとして独立することでも年収アップを狙えるでしょう。
会社に属している場合、案件を獲得してくる上位層から順に報酬が分配されますが、独立して自ら案件を獲得すれば、大元である自分に多くの報酬が分配されます。
顧客獲得の負荷や責任範囲は拡大するものの、相応の年収を期待できるでしょう。
方法4.フリーコンサルタントとして高単価案件を獲得する
フリーの経営コンサルタントとして活動することも年収を上げる方法の1つです。
基本的にフリーコンサルタントの案件は高いため、ご自身の経験/スキルに自信がある方はフリーランスに転身することで年収アップを試みてみましょう。
PODでは、フリーコンサルタント向けの案件を多数紹介しています。
サイト掲載案件以外にも85%の非公開求人を紹介できますので、フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODサービスで案件をお探しください。
「コンサルタントサポーター」の手厚いサポートや、プロジェクトに集中できる契約サポート、システムインフラ提供などを通じて、効率的にご自身に合った案件を見つけることができます。
経営コンサルタントの年収を上げる方法は複数あるため、ぜひご自身のキャリアに沿った方法をお選びください。
次は、フリーランスの経営コンサルタントの年収シミュレーションを紹介します。
【フリーランス向け】経営コンサルタントの年収シミュレーション
POD掲載案件を基に、業務内容/求められるスキルなどに応じて見込める年収シミュレーションをいくつか見ていきましょう。
ここでは、一例として「経営戦略」の案件を紹介しています。
業務内容 | 求められるスキル | 稼働率 | 契約期間 | 報酬金額 | 想定年収 |
---|---|---|---|---|---|
新規SaaS事業のデジタルマーケ方針の策定・施策立案支援 | ・新規事業もしくはSaaSプロダクトの事業開発/推進経験 ・デジタルマーケティングの戦略立案・実行の経験 | 80%~100% | 1~3ヵ月 | 100~150万円 | 1,200~1,800万円 |
データを活用した戦略策定支援 | ・データ分析に関する基本的な理解 ・ビッグデータ活用のリードを推進していた経験 | 30%~100% | 1~3ヵ月 | 100~150万円 | 1,200~1,800万円 |
事業戦略全般におよぶ改善活動のプランニングおよび進捗管理 | ・クライアントのゴール達成に向けたKPI設計から戦略立案、プロジェクト進行までの経験 ・社内外の関係者と円滑にコミュニケーションを取り業務を遂行した経験 | 80%~100% | 1~3ヵ月 | 100~150万円 | 1,200~1,800万円 |
契約期間や報酬金額に幅があるため、年収シミュレーション結果にも幅がありますが、効率的に案件をこなすことで、2,000万円近い年収も見込めます。
クライアントと稼働を調整し、稼働率の低い案件を複数同時並行で進めるなどにより、高年収を実現しましょう。
まとめ-経営コンサルタントの高単価案件はPODで
この記事では、経営コンサルタントの年収について、雇用形態や業務領域、年代などの観点から解説するとともに、年収を上げる方法について詳しく解説してきました。
フリーの経営コンサルタントを目指している方は、ご自身の経歴やスキルに沿った案件を獲得することで、効率よく年収を上げることができます。
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ご自身に合った案件に出会うためにも、ぜひPODを活用してみてください。
ランサーズ株式会社
POD編集部