2023.03.07 RPAコンサルとは?RPA活用事例からコンサルの役割・必要なスキル・年収を紹介
RPAコンサルとは、企業の業務効率化や従業員の負担減を目指し、RPAの導入や最適化をサポートする仕事です。労働人口の減少などが叫ばれる中、RPAは期待されている分野であり、RPAコンサルの需要も急激に拡大しています。
RPAコンサルは現状働き手が少ないため高収入が期待でき、IT業界やコンサル業界で働いている方からも注目されています。本記事では、主に他業界からRPAコンサルへの転職を検討している方に向けて、RPAの概要やRPAコンサルの役割、平均年収などを紹介していきます。
目次
RPAコンサルとは?RPA活用事例からコンサルの役割・必要なスキル・年収を紹介
そもそもRPAとは?
RPAの拡大する市場規模
RPAとAIの違い
RPAの活用事例
RPAコンサルタントに求められるスキル
RPAやIT全般のスキル
コンサル全般のスキル
そもそもRPAとは?
RPAは「Robotic Process Automation」の略で、「ロボットによる業務自動化」を意味します。これまで人間が行っていたPC業務を、ロボットによって自動化する技術です。
RPAは人間が設定したルールに従って作業を行うため、複雑な判断や処理を必要としない作業に適しています。例えば、以下のような業務が挙げられるでしょう。
- ●データの登録・転記:請求書や経費の処理、発注・受注、納品など
- ●社内アプリ操作:メールの送信、ワークフローの実行など
- ●システムの管理:金融機関のWebバンキング操作など
- ●Webサイトからの情報収集:株価調査、競合製品の価格調査など
- ●同一性チェック:顧客のデータチェックなど
上記のような業務をRPAで代行することによって生産性や正確性が上がり、業務を効率化することができます。近年は少子高齢化による労働人口の減少や働き方改革により、これまでよりも少ない労働力で業務をこなすことが求められています。このような状況で注目されているのが、RPAです。
RPAの拡大する市場規模
2020年に実施された矢野経済研究所の調査によると、2019年度のRPA市場規模は、529億7,000万円(前年度比56.7%増)です。そのうち、RPAツール製品は224億円(同65.9%増)、RPA関連サービスは305億7,000万円(同50.6%増)となっています。
この勢いは衰えず、2023年度には市場規模が1兆520億円と、2019年度の約3倍になる予測です。今後は企業へのRPA導入が急激に進み、本格的な利用拡大フェーズへと移行していくでしょう。
企業の導入率をみてみると、2019年度の企業規模別のRPA導入率は以下の通りです。
- ●年商50億円以上の大・中規模企業:37%
- ●年商50億円以下の中・小規模企業:10%
導入率もさらに拡大する見通しです。2022年度には年商50億円以上の大・中規模企業の50%、年商50億円以下の中・小規模企業の28%が導入する予測となっています。
※ 出典:2021 RPA市場の実態と展望|株式会社矢野経済研究所
※ 出典:RPA国内利用動向調査2021|株式会社MM総研
RPAとAIの違い
RPAとAIを混同している方もいるのではないでしょうか。RPAとAIはどちらも自動化技術の一種ですが、明確な違いがあります。
上述したように、RPAとは「ロボットによる業務自動化」という意味です。人間が設定したルールに従い、単純なルーティンワークをこなすことを得意としています。自ら学習をしたり、判断したりすることはありません。
対してAIとは「人工知能」を意味し、人間の知能を人工的に再現した技術です。膨大なデータを基に自ら学習し、判断基準を設定して判断を下すことができます。
両者の違いは、「自律的に判断を行えるかどうか」です。RPAは能動的に学習をすることはありませんが、AIは自ら学習して推測や判断を行うことができます。
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RPAの活用事例
業務効率化を目的として企業への導入が進んでいるRPAですが、具体的にどのように活用されているのでしょうか?ここでは、RPAの活用事例を3つ紹介していきます。
金融業界の業務自動化
銀行や保険会社などの金融業界では、口座開設や請求書の処理、契約書の作成など、一部の業務でRPAが導入されています。RPAを導入することによって、業務効率化やヒューマンエラーの軽減が実現されています。
製造業における製品検査
自動車メーカーや電子機器メーカーなどの製造業において、製品検査は必須です。この製品検査にRPAを導入することによって、人手を介さずに検査を行うことが可能になりました。その結果、品質向上やコスト削減が図られています。
医療業界における診療支援
病院や医療機関では、患者情報の管理や診療報酬の計算などの業務が発生します。これらの業務にRPAを導入することで、医療従事者の負担軽減や診療のスムーズ化が実現されています。
RPAコンサルタントとは?
RPAコンサルタントとは、企業のRPA実装をサポートする仕事です。具体的には、大きく2つのサポートを行います。
一つ目は、RPA導入のサポートです。RPAコンサルタントは、クライアントの業務内容を把握し、どの業務が自動化できるかを特定します。RPAを導入する業務が確定した後は、導入までのスケジュールを立ててプロジェクトを管理します。
二つ目は、RPA導入後のサポートです。導入後は効果検証を行い、場合によっては仕組みを再構築したり軌道修正したりすることもあります。また、案件によってはRPA導入済みのクライアントを担当することもあります。
RPAコンサルタントは、これらのサポートによりクライアントの生産性向上やコスト削減を目指します。そして、最終的には従業員が価値のある業務に集中することができる環境を実現させることが目標です。
RPAコンサルタントに求められるスキル
RPAコンサルタントになるために、特定の資格は不要です。しかし、専門性が求められる仕事であるため、スキルを持っていないと難しい仕事です。具体的にどのようなスキルが必要なのか、大きく2つに分けて紹介していきます。
RPAやIT全般のスキル
RPAコンサルタントは企業課題をRPAで解決する仕事であるため、RPAに関する知識が不可欠です。企業にソリューションを提案する際、RPAに関する知識がないと最適な提案をすることができません。
また、RPAツールの開発・設計にはプログラミングスキルが求められます。RPAの開発は主にRPAエンジニアが行いますが、設計はコンサルタントが担うケースも少なくないです。また、業務システムとの連携も必要なため、APIの利用方法に関する知識もあるといいでしょう。
コンサル全般のスキル
当然ながら、コンサル全般のスキルも必要です。ここではコンサルタントとして必要なスキルを3つ紹介します。
一つ目は、プロジェクト管理スキルです。RPAコンサルタントは、RPAの導入計画、スケジュール管理、予算管理、リスク管理、チームマネジメントなどを全て担当しなければならず、高いレベルでのプロジェクト管理スキルが求められます。
二つ目はロジカルシンキングです。コンサルタントは、クライアントの現状と課題を整理して、最適なソリューションを提案する仕事です。最適なソリューションは何かを判断したり、クライアントに論理的に提案をするためには、ロジカルシンキングのスキルが不可欠でしょう。
そして三つ目は、コミュニケーションスキルです。クライアントに課題をヒアリングする際や、プロジェクトを進めていく際には、高いコミュニケーションスキルが求められます。クライアントに信用してもらうためにも必要なスキルです。
また、コンサル全般のスキルから少し離れますが、RPAを導入する業務の知識も必要です。RPAは特に経理や財務などに導入されるケースが多いため、この2つの業務に関しては知っておくといいでしょう。導入する業務の知識があることで、より効果的なRPA導入提案を行うことができます。
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RPAコンサルタントの年収
RPAコンサルタントの年収は、会社員かフリーランスか、また役職などによっても大きく異なります。平均すると、RPAコンサルタントの年収は500万円〜1,000万円です。役職が上がれば、年収1,000万円以上も期待できます。ちなみに、令和3年の国税庁調査によると日本人の平均年収は443万円となっており、他の職種に比べて非常に高い水準であることが分かります。
会社員としてRPAコンサルを行う場合は、初年度で年収400万円〜800万円が一般的です。中堅の経験者は800万円~1,200万円、上級者やマネージャークラスになると1,200万円以上が期待できます。
フリーランスの場合は、案件次第ですが初年度で年収約1,000万円が目安とされています。上級者になると、1,500万円以上になることもあります。スキルがある人は、独立することでより高い年収を見込むことができるでしょう。
※ 出典:令和3年分民間給与実態統計調査|国税庁長官官房企画課
RPAコンサルタントの求人・案件状況
企業へのRPA導入が急激に進んでいるため、RPAコンサルタントの需要は高まる一方です。求人・案件ともに増加傾向にあります。中でも求められているのは、RPAの導入率が高い経理や財務に関する知識があるなど、特定のRPAツールに習熟しているスペシャリストです。
RPAコンサルタントの求人を探すには、大手正社員向け転職サイトなどを活用するといいでしょう。多くのコンサルティングファームが求人情報を掲載しています。
フリーランスとして案件を探す際には、PODなどフリーランス向けに案件を紹介しているエージェントを活用するのがおすすめです。フリーランス向けに様々な案件が用意されており、希望する分野や報酬金額に沿って案件を探すことができます。
まとめ
当記事では、RPAの概要とRPAコンサルタントについて解説しました。RPAコンサルは他の職種と比較しても市場ニーズが高く、高収入が期待できます。また、スキルが豊富な方はフリーランスとして働くことで、会社員よりも年収が高くなる可能性があります。
フリーランスとして案件を探す際は、PODを活用するのがおすすめです。PODは、フリーコンサルタントと企業とのマッチングをサポートするサービスです。IT関連のフリーコンサルタント案件も非公開含めて多数ご案内しています。フリーのITコンサルタントとして活躍をお考えの方は、お気軽にご相談ください。