2023.08.24 パナソニックHD、AIモデルが学習していない物体の「知ったかぶり誤認識」を防ぐAI技術を開発
パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)とPanasonic R&D Company of Americaは、AIモデルが学習しておらず「本質的に認識ができない」物体を「未知物体」として認識し、画像認識AIモデルの信頼性を高める技術を開発した。画像認識AIモデルは事前に学習させた対象に対しては高い認識率を誇るが、実環境のすべての物体を画像認識AIモデルにあらかじめ学習させることは困難である。
AIの信頼性を高める技術に注目が集まる中、画像認識結果が「どれくらい信頼できるのか(不確実性)」を推定可能な生成モデルを、画像認識モデルの後段に追加することで、「未知物体」に付与された誤ラベルを棄却し、本質的に認識が可能な学習済の物体のみを正しく認識できるようにする技術FlowEneDetを開発した。
■技術の内容
画像認識AIのひとつであるセマンティックセグメンテーションモデルは、画像中の画素レベルで、ある領域が何の物体であるかを推定できる、モビリティ、製造、医療等の幅広い領域で欠かせないAI技術である。
これに対し、パナソニックHDとPanasonic R&D Company of Americaは、AIモデルが認識結果にどれくらい自信を持っているか(不確実性)を推定するフローベースの生成モデルFlowEneDetを開発した。
FlowEneDet自体は、エネルギーベースモデルにおける低次元の自由エネルギーを処理するモデルであるため、複雑さの低いアーキテクチャであり、学習・評価コストを大きく増やすことなく、未知物体と誤分類の同時検出を実現します。
今後の展望:
今回開発したFlowEneDetは、実環境でしばしばAIモデルが遭遇する、学習したことのない未知物体に対する誤認識を防ぐことで、モデルの性能と信頼性を高める技術です。AIの信頼性が求められる車載やくらし、B2Bなどの様々なユースケースでの活用が期待される。
詳しくはこちら