2022.12.12 ベイカレント・コンサルティング|成長を続ける日系ファームの事業内容や特徴

ベイカレント・コンサルティング(以下、ベイカレント)は、20%を超える高い成長率を誇る日本発の総合コンサルティングファームです。2014年の設立(創業は1998年、2014年にMBO)後、2016年にはマザーズに上場。2018年には東証一部上場を果たしています。急成長の秘密はどこにあるのでしょうか。この記事ではベイカレントの事業内容やファームの特徴を紹介します。
目次
・ベイカレントの事業内容
‐ メインとなる4つの事業領域
‐ DX支援の先駆け的存在
・ベイカレントのファーム特徴
‐ 「ワンプール制」の採用
‐ 伴走型コンサルティング
‐ フォーブス・アジアの「Best Under A Billion」
・まとめ
ベイカレントの事業内容
「付加価値の高い知恵を集結し、常に新しい潮流を生み出す、総合コンサルティングファーム」を自負するベイカレント。急成長と好業績を支えている事業の内容を紹介します。
メインとなる4つの事業領域
ベイカレントがメインとしている事業は「戦略」「デジタル」「オペレーション」「テクノロジー」の4領域です。それぞれの特徴は次のようなものです。
戦略/Strategy
ベイカレントでは、国内外での成長戦略の策定と実行を通じ、クライアント企業の抜本的な組織の強化に重点を置いてさまざまな支援を行っています。世界ビジネス環境が激動していく中、企業成長の方向性を見定め、それらを迅速に実行に移していく戦略が求められているためです。
デジタル/Digital
デジタル領域では、独自に創設した研究・発信機関「デジタル・イノベーション・ラボ」を核に、クライアントのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援しています。ベイカレントが目指すのは、カスタマーエクスペリエンス(CX)の非連続な進化を促すことで、デジタル時代にクライアント企業を成長させることです。
オペレーション/Operations
ベイカレントでは、現状の分析を踏まえ、商品サービスの企画・開発、調達・購買、生産、物流、販売、間接部門など、多岐に渡る分野でのオペレーション能力を高めるための支援を行っています。複雑化する現場オペレーションを、戦略との整合性や現場との親和性が高いモデルに変革していくことで、クライアント企業の競争優位性を築くことが目的です。
テクノロジー/Technology
テクノロジー領域では、ITのグランドデザインや、IT組織の機能分担、ITコストの削減などの課題解決を行うことで、投資利益率の高いITの活用をサポートしています。モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータ、IoTなどのテクノロジーの進化で生まれる新たなビジネスの潮流に適応しながらクライアント企業の競争力を高めることが目的です。
DX支援の先駆け的存在
ベイカレントの20%を超える高い成長率を支えているのが、4つの事業領域の一つ「デジタル」です。ベイカレントは、デジタル・トランスフォーメーションという言葉がまだ日本に浸透していない2016年に、書籍『デジタル・トランスフォーメーション』を出版。デジタルの力による企業変革の道筋を先駆けて示した実績を持っています。
またベイカレントでは2016年に、Webサイトで研究内容など発信するデジタル組織「デジタル・イノベーション・ラボ」を設立。デジタルの最先端動向の研究、ITテクノロジー企業とのアライアンス、産学連携などで得たナレッジをデジタル・イノベーション・ラボに集積して、コンサルティングに活かしています。
ベイカレントの会社概要
ここでは、ベイカレントの会社概要を見ていきます。
【代表者】
代表取締役社長 阿部 義之氏
【会社公式URL】
【設立年】
1998年3月25日
【資本金】
2億8200万円
【売上高】
429億円(2021年2月期)
【従業員数】
2,317名(2021年4月時点)
【企業理念】
日本発の総合コンサルティングファームとして、政府やさまざまな業界を代表する企業の抱える課題を解決し、成果を生み出すことで、クライアントの持続的な発展に貢献し続けていく
【沿革】
1998年3月
経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーションおよびアウトソーシングを事業目的とした、有限会社ピーシーワークスを設立(神奈川県藤沢市)
2000年6月
有限会社ピーシーワークスが株式会社ピーシーワークスに組織変更
2006年12月
株式会社ピーシーワークスから株式会社ベイカレント・コンサルティングへと商号変更
2016年9月
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2018年12月
東京証券取引所市場第一部へ市場変更
ベイカレントのファーム特徴
DX(デジタル・トランスフォーメーション)のコンサルティングを中心に成長するベイカレント。ファームの特徴は「ワンプール制」と「併走型コンサルティング」にあります。それぞれを説明します。
「ワンプール制」の採用
ワンプール制は、全てのコンサルタントが同じ部門(コンサルティング本部)に所属するベイカレント独自の制度です。多くのファームではインダストリー(業界・業種)やサービスを軸に部門を構成します。しかし、ベイカレントではインダストリーやサービスの区切りを設けず、プロジェクトごとにメンバーをアサイン。コンサルタントが幅広い分野でコンサルティングを行います。
また営業専属の部隊を設けているのもベイカレントの特徴。コンサルタントがセールスを行うことはなく、顧客へのコンサルティングワークに集中しています。
併走型コンサルティング
「伴走型のコンサルティング」を得意としているのもベイカレントの特徴です。併走型とは、提案で終わるのではなく、提案を実現して顧客のビジネスが成功するまで付き合うコンサルティング・スタイルのことです。
例えば、新たなWebサービスの提案をする場合、サービスの設計・開発を行うだけでなく、サービスを開始するまでを一気通貫でサポートします。また、サービスやサイトのリリース後における改善提案を行う案件もあります。
現代では、デジタルなどの技術が日々進化しており、課題を抱える企業は増えるばかりです。そのため、最新のデジタル技術を熟知する専門家集団に伴走を希望する企業が増えています。そうしたニーズに応えるため、ベイカレントでは伴走型のコンサルティングを行なっているのです。
フォーブス・アジアの「Best Under A Billion」に選出
ベイカレントは、アジア経済誌で評判のフォーブス・アジアが発表した優良企業ランキング「Best Under A Billion」(2021年)に選出されています。フォーブス・アジアは世界的に信頼度の高い経済紙「フォーブス」のアジア版です。フォーブス・アジアが選出する「Best Under A Billion」は、売上高10億ドル未満の企業から200社の業績に優れた企業を選出するものです。
選出には、過去12カ月および3年間にわたる売上・利益成長や、5年間のROEの高さが基準となり、ガバナンス上の問題や環境に悪影響を与える企業が選出対象から除外されるなどの基準も採用されています。フォーブス・アジアの「Best Under A Billion」にベイカレントが選出されるのは、これが2度目。日本発のコンサルティングファームの躍進に世界も注目しているようです。
まとめ
今回はベイカレント・コンサルティングの事業内容やファームの特徴を紹介しました。日本発の総合コンサルティングファームとして2014年に設立されて以来、成長を続けるベイカレントには、ワンプール制や伴走型のコンサルティングなどの特徴があります。フォーブス・アジアが発表した優良企業ランキング「Best Under A Billion」(2021年)に選出されるなど、世界でも注目を集めています。