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2022.05.20 360度評価のメリット・デメリットとは?効果的な運用方法を紹介

360°評価

評価制度にはさまざまな方法がありますが、現在注目されている評価制度として360度評価が挙げられます。360度評価ではさまざまなポジションにある社員が一人の社員を評価するため、公正な評価につながりやすいといわれています。本記事では、360度評価の基本を抑えた上で、360度評価のメリットやデメリット、さらには効果的な運用方法などについても説明します。 

  

  

360度評価とは? 

社内における評価といえば、上司が部下を評価することが一般的です。対して、360度評価では評価対象となる社員を上司や同僚、部下などさまざまな立場にある人たちが評価する仕組みです。 

評価が上司によるものに限られる場合、上司の目が届かない場所での社員の活躍が見落とされたり、上司の主観に基づく評価が行われたりするといった問題が生じることが少なくありません。  

さまざまな立場にある人が評価に参加することで、これまで見落とされていたものも評価に反映されるようになります。 

  

  

360度評価が注目されている理由

これまで、日本企業では年功序列制が一般的でしたが、近年崩れはじめています。そして、多くの企業が社員の年齢に関係なく、能力ややる気を評価し、昇進や昇給の機会を与える仕組みを導入しようとしています。ただ、先述したように上司からの一方的な評価では、社員一人ひとりの長所や活躍が見えにくいという問題があります。そんななか、360度評価を行うことで、周囲から高い評価を得ている社員を把握でき、能力のある社員に適切なポジションを与えることができます。 

最近では、コロナウイルスの影響もあり、企業におけるテレワーク導入が進んでいる一方、テレワークには社員の仕事が見えにくいという問題もあります。こうした問題対し、360度評価は多方面から社員の情報を集めることができるメリットがあります。 

また、少子高齢化や労働人口の減少が問題となっている今日、企業は優秀な人材の確保が難しくなっています。こうした事情からも、企業には社員の育成や社員の定着率を図ることが求められており、360度評価に注目が集まっています。 

  

  

360度評価のメリット

  

評価に納得する社員が増える

決まった人からの評価に限られる場合、公正な評価を受けられない社員が出てくる可能性も少なからずあるでしょう。偏見や個人的な感情などから低い評価を付けられてしまうケースもあると考えられます。誤った評価に違和感を覚えても、それについて口にすることは社員にとって容易ではありません。 

また、限られた上司からの評価に限られる場合、社員は「あの上司は自分を嫌っているから低い評価を付けた」「適切な評価を受けられなかった」といった不満を抱くこともあるでしょう。 

360度評価では複数の社員、かつさまざまな立場にある人から評価を受けられるため、公正な評価を得やすく、社員自身も評価に対して不満を抱きにくいと考えられます。 

  

一方向からは見えなかった社員のよさを発見できる

上司による評価に限られる場合、評価対象とする社員が同僚や部下に取る態度について考慮した評価を行えないことが多いです。 

上司から見ると生産性が低い社員であっても、部下や同僚のサポートなどに熱心で、高い信頼を周囲から得ていることもあります。また、周囲のサポートで忙しく、自分の仕事に遅れていたというケースも珍しくありません。360度評価により、これまで見えていなかったものを把握できれば、改善策を検討することもできます。 

  

社員の帰属意識が高まる

社内運営や人事に関することは、多くの社員にとって自分の業務に直結するものとして感じられないでしょう。組織において自分の意見がどのように反映されるのかが不透明である他、そもそも自身の意見を伝えられる場面がないことが多いと見受けられます。 

360度評価制を導入し、互いに評価し合うことによって、各社員が組織運営に関わっているという思いを抱きやすくなります。こうした社員の帰属意識向上は、組織としての強さにつながっていきます。

  

  

360度評価のデメリット

  

自分の評価のために厳しい教育をしなくなる

管理職の中には部下から高く評価されたいがために、部下を注意しない、あるいは部下の業務に対する怠惰な姿勢を見逃すなどといった問題が生じる可能性があります。 

叱らない上司は部下から「優しい」などと高く評価されたとしても、企業全体のパフォーマンスは落ちる可能性もあり、注意が必要です。 

  

集めた評価が全て正しいとは限らない

入社したての新人や、人事評価の経験がない社員にとって評価は難しいものです。主観的な評価や感情的な評価が行われることもありえるでしょう。例えば、同僚を評価する場合、親しい同僚であれば気遣いができて優しいと評価しがちな一方、自分と相性が合わない同僚に対しては不親切で不愛想などと評価してしまうこともあると考えられます。 

評価に慣れているマネジメント的立場にある人や、人事であっても感情を交えた評価を行わないとは限りません。しかし、360度評価の意義や目的を社員が理解できていないと、誤った評価ばかりが集まることにもなりえます。 

  

談合の発生

談合とは仲がよい社員や一部の社員が事前に話し合って、お互いにとって都合のよい評価を付け合うことです。このような評価は正当な評価とはいえません。 

  

  

360度評価の効果的な運用方法

  

360度評価の研修を行う

360度評価を導入する場合、社員に導入の意義や評価方法、評価のポイントなどをしっかりと伝えておくことが重要です。評価方法や評価基準をマニュアル化しておくとよいでしょう。 

  

フィードバックを行う

収集した評価は本人にフィードバックを行うことが重要です。フィードバックを怠った場合、なんのために評価をしたのか分からなくなってしまいます。また、フィードバックでマイナス的な要素を本人に伝える場合、改善点のみならず改善方法も同時に伝えることが重要です。 

  

評価シートに自由記述欄を設ける

自由記述欄があることで、その社員の働きや、やってもらって嬉しかったことなどを自由に書き込むことができます。良い、悪いという二択では判断できない、社員のよさが見えてくることも多いです。 

  

  

360度評価を運用する際の注意点

  

評価を報酬に直接反映させない

報酬が関わる評価はさまざまな問題につながりかねません。360度評価はできるだけ育成の観点から行うとよいでしょう。 

  

匿名で行う

名前を出して評価し合う場合、お互いに遠慮し合うこともあると考えられます。また、評価シートが紛失した場合、社員間のトラブルになるというリスクもあるため、匿名での実施がよいといえます。 

  

評価項目は執務態度を主とする

評価項目は執務態度を主とし、プライベートに関わるような項目や性格を評価するような項目は控えましょう。 

  

  

360度評価における人事評価項目

360度評価では社員それぞれの役割に合った評価項目を用意することが重要です。 

以下、管理職と一般社員における人事評価項目の例を紹介します。 

  

管理職の人事評価項目

管理職にはマネジメント能力が求められます。そのため、実際に指揮下にある部下や同僚から、マネジメント能力について聞いてみたいところです。 

管理職の評価項目には以下に関する項目があるとよいでしょう。 

・組織作り 
・部下の育成 
・リーダーシップ 

   

一般社員の人事評価項目

一般社員には業務に対する姿勢や業務を行う上でのスキルが主な評価項目となります。 

一般社員の評価項目には以下に関する項目があるとよいでしょう。 

・問題解決力 
・主体性 
・協調性 
・知識・スキル 

  

  

まとめ

360度評価では一人の社員に対してさまざまなポジションにある社員が評価するため、公正な評価や組織への帰属意識向上が期待できます。一方で、社員に対して360度評価の意義や正しいやり方を事前に伝え、理解してもらわなければ効果は期待できないでしょう。導入を検討している方は、今回、記事に書いたような注意点なども参考にしてもらえると嬉しいです。

  

  

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