2022.04.04 【調査レポート】日本のより良い企業報告を目指すための3つの提言とは-KPMG
3月14日、KPMGジャパンは、「日本の企業報告に関する調査2021」を2022年4月に発行することを発表した。本調査は、日経225構成企業225社の統合報告書、有価証券報告書、サステナビリティ報告の比較調査に加え、統合報告書の発行企業や統合報告書に関する基礎情報の調査に基づいて作成された。
本調査によると、マテリアリティについて記載する企業は、統合報告書で78%、サステナビリティ報告では80%であった。その一方で、マテリアリティ評価プロセスにおいて取締役会が主体的に関与している割合はいずれも20%未満と低い結果となった。
中長期の戦略について、統合報告書や有価証券報告書で言及している企業は70%以上であった。しかし、戦略の達成度の説明に用いられている指標の類型を調査すると、財務指標と非財務指標の両方を用いていたのは、統合報告書で44%、有価証券報告書では7%であった。
KPMGジャパンは本調査を受け、企業が今後より良い企業報告を目指すため、以下の3点を提言した。
・マテリアリティ-何が経営の意思決定の根幹となっているかを示す-:
パーパスを実現するために、対処すべき事象や課題を検討し、合意するプロセスであるマテリアリティ分析に経営陣が主体的に関与した上で、その結果としてマテリアルだと判断されることが、経営判断の根幹となっていることを示すことが重要である。
・メトリクス-価値創造ストーリーの実現の進捗や実態を伝える-:
パーパスの実現に向け、サステナビリティに関する課題を戦略を中長期的な戦略に統合したなのであれば、適切なメトリクスを選定・目標設定を行い、モニタリングを行う。さらに、経営者の分析や認識を報告書の中で表明することにより、価値創造ストーリーの歩みを具体的かつ客観的に伝えることが可能となる。
・報告書ごとの目的を再整理する:
報告媒体ごとに、その目的と想定利用者の関心を踏まえ、報告内容を整理し、企業の考えや経営実態を伝達することによって、情報利用者の理解度向上とステークホルダーとの対話の質の向上に繋がる。
詳しくはこちらのプレスリリースをご覧ください。