シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」第3回 コンサル経験は起業の役に立つのか? | コンサル業界ニュース

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2015.10.31 シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」第3回 コンサル経験は起業の役に立つのか?

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コンサル業界出身の事業家を取材するシリーズ。株式会社ジェネックスソリューションズ代表の高橋氏にお話を伺った。

前回の連載では、高橋氏がコンサルタントとして企業を支援する中で、業界共通の「店舗マネジメント」に関する課題があることに気づき、その課題意識を元に起業に至ったストーリーを伺った。そんな高橋氏はコンサルから起業することについてどのような意見を持つだろうか?連載第3回はその点を伺う
※前回、連載第2回の記事はコチラから
  
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もともと起業は考えていなかった

いかにもスムーズにキャリアを築き上げて来たように見える高橋氏だが、当初キャリアプランとして、起業は考えていなかったと言う。

「アクセンチュアに入ったときも、まったく起業しようと思っていませんでしたし、ずっとコンサルタントをやろうと思ってきました。結果的に2013年に起業はしたものの、絶対に起業しようとか、絶対にClipLineを作ろうと思っていたわけではありません」と。

では、なぜ起業したのだろう?

社長として取れる戦略の選択肢の広さと、自分で実行できる魅力

「スシローやダイヤモンドダイニングで実績を積めたこと、また、外食業界の特徴として、創業社長が多く、彼らの物事の捉え方、考え方に触発されたことが大きいですね。多くの創業社長と過ごす時間が増えるにつれて、創業社長として取れる戦略・戦術・施策の選択肢の広さと、自らの判断で実行できる部分に魅力を感じました。」と高橋氏。

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コンサル業は例えればピン芸人の集まりで、会社に帰属意識はあるものの、細かい指示もなければ、勤怠管理もされない。そのような自由さはコンサルタントの魅力ではある。

一方で、創業社長の場合、ビジネスを展開していくときに選択できるオプションの幅が違う。その会社のトップであれば、コンサルタントを雇うこともできるし、ファンドから資金を調達することもできる。ビジネスの展開の幅、意思決定できるオプションが全く違なる。

ジェネックスパートナーズではパートナー職(事業会社の執行役員レベル)まで昇進していた高橋氏。

「コンサルタントもパートナーをやっていると、コンサルを『事業』としてやっているので、事業感覚は身につく。そういった経験や、プロジェクトで出会う創業社長からの影響を通して、自分がトップでやることの魅力、それも雇われ社長ではなく創業者としてやる魅力を肌で感じたこともありますね」と語る。

慎重であることと、起業に踏み切ること

「コンサルタントを15年もやっている人は基本的にリスク感度が高く慎重なわけです。私は未だにだいぶ慎重です(笑)。一方で、起業当時40歳も近くなってきて、「ここでチャンレンジしないことの方が後悔するのでは?」という思考が強くなってきました。たとえ1,2回失敗したとしても、人生の糧になるのではないかと。そういう割り切りは半分ありました。」

慎重さについて高橋氏はさらに語る。

「ただ、起業については慎重な人の方が成功確率が高いのではないかと思っていますし、実際、ここまでのところは、慎重に事を進めて正解だったと思っています。そこまで慎重な私がなぜ起業できたかというと、古巣のジェネックスパートナーズ創業社長であり現会長の眞木さんに背中を大きく押してもらったからです。GENEXの社名も当社につけさせて頂いていますし、業務提携という形で、同社とは、案件・人材面でいまだに強いつながりがあります。さらに丸2年に渡りオフィスも低価格で貸して頂きました。本当に恵まれた舞台をご用意頂いたことで、慎重な自分でも起業に踏み切れたというのが本音です。…ジェネックスパートナーズには足を向けて寝られないですよね(笑)。」

コンサルからの起業について。コンサル経験は起業に役立つか?

「コンサルタントとしては、新卒のアナリストから始めて、マネージャー、パートナーまでやりました。その経験を積んだ上で起業したことは、非常に良いことでした。トップに対しClipLineを提案する時も非常に役に立ちますし、また、自分がチームアップをしていくときも、すべて一回体験したような感覚があります。」

ジェネックスパートナーズは経営のトップとも議論するが、成果の創出にこだわる実行支援を行っているため、本当に泥臭い現場のところもやる。「机上で書いた絵が実際にどうなるのかを見届けることができるので、起業を考える方には非常に良いコンサル会社だと思います。疑似体験がかなりできるので、起業したい人はジェネックスパートナーズで修業してみたらどうかな(笑)。真面目にそう思いますよ。」と高橋氏。

例えば起業後に必要となる、オフィスの賃貸契約をはじめとした事務手続き、採用・配置・育成といった人事周り、資金調達の際に投資家に対して行う事業説明など、クライアントに対するコンサルテーションやパートナーとしての事業運営の中で一通り一回体験していることは大きく、ゆえに、起業をしてから発生したことはほとんどすべて想像の範囲内で、「『驚いた』ということはほとんどない」と言う。

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インタビューに答える高橋氏

想いが明確になるまでコンサルタントを続けるという選択肢

起業を選択肢に入れ、コンサル会社で勤めるコンサルタントをどう思うか?高橋氏は以下のように語る。

「起業しようと思ってコンサルになったものの、アイデアがなくて起業できない人は多い。その段階では起業しない方が良いと思う。成功している起業家には『熱い思い』があり、その熱さで走り切るタイプが多いように思います。コンサルは頭で考えてから入る人が多いので根本的にタイプが違う。だから、そういう人が『起業をしなきゃ』と思って起業しても成功しないのではと思う。

日本だと、学生や20代の起業イメージが強いが、欧米だと40代の起業家も多く、一定の経験を積んで特定の専門分野で起業をする。私の場合も経験を積んだ分野での起業のため、現在の事業内容もコンサル時代の延長上にある。コンサルタントとして支援していた業界を、もっと効率よく支援するためにコンサルをソリューション化した。

『今までと違った手法でやるためには起業をしなくてはいけない』というくらい、やりたいことが明確になるまで、コンサル会社で経験を積んでおけばよいのではと思います。」

コンサル業を追求し続け「コンサル会社ではできないこと」にぶつかること

ではコンサル業界で働きながら「起業するぞ」という想いを見つけるというのは、どうすれば良いのだろうか。

「当たり前ですが、コンサルタントは、自分の修行のためではなく、クライアントのために仕事をしている人が大多数だと思う。それを追及し続ければよいと思う。追及し続けると『コンサル会社ではできないこと』が出てくる。

コンサル会社でパートナーまでやると、専門業界・テーマが自然と決まってくる。そうなると、完全にデジャブの中で仕事をすることになる。コンサルは年に数社しか見ることができない。それを超え、『その業界を変えたい』とまで考えられたとき『コンサル会社ではそこまでやるのは無理』となる。そのときに初めてソリューションの話になり、卒業、そして起業の時が来るのではないかと思います。」

 
(取材:株式会社ワークスタイルラボ 真貝 豪)

【シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」】
第1回 企業特有のノウハウを動画で共有するツールClipLine
第2回 コンサルタントを経ての起業
第3回 コンサル経験は起業の役に立つのか?

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